「戻った脱北者に感染疑い」 北朝鮮に政治的目的 韓国国防相

「戻った脱北者に感染疑い」 北朝鮮に政治的目的 韓国国防相
北朝鮮の国営メディアが、韓国から北朝鮮へ違法に戻った脱北者に、新型コロナウイルスへの感染の疑いがあるなどと伝えたことについて、韓国のチョン・ギョンドゥ(鄭景斗)国防相は「政治的な目的がある」と述べ、北朝鮮の国民への注意喚起に加えて、軍事境界線の警戒にあたる軍の引き締めを図るねらいだとする見方を示しました。
北朝鮮の国営メディアは韓国に脱北した人物が、今月19日に南西部のケソン(開城)へ違法に戻り、新型コロナウイルスに感染している疑いがあるとして、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が、ケソンを完全に封鎖したうえで、最大限の緊急態勢をとるよう指示したと、26日伝えました。

これについて韓国のチョン・ギョンドゥ国防相は28日、国会で「新型コロナウイルスの拡散の危険性を強調しつつも、政治的な目的がある」と述べ、北朝鮮の国民への注意喚起に加えて、軍事境界線の警戒にあたる軍の引き締めを図るねらいだとする見方を示しました。

韓国軍は、この人物について3年前に脱北してソウル近郊で暮らしていた、ケソン出身の20代の男性で、北西部のカンファ(江華)島から、鉄条網の下の排水路を抜け、幅およそ3キロの川を泳いで北朝鮮側に渡ったとみています。

また、島で見つかった本人のかばんには、ウォンをドルに両替した際の領収書や、水中めがねなどが入っていたほか、事前にアパートの契約や預金を解約し、島周辺の下見もしていたことが分かっています。

一方、保健当局は、男性は新型コロナウイルスの感染者として登録されておらず、2人の濃厚接触者もPCR検査の結果は陰性だったとしています。