首都圏のJR利用者 6月末に急増 「宣言」解除前の1.76倍

首都圏のJR利用者 6月末に急増 「宣言」解除前の1.76倍
先月末時点での首都圏のJR利用者は、緊急事態宣言の解除前と比べ1.76倍と急増していたことがわかりました。一方で今月に入ってからは先月より微増しているものの、ほぼ横ばい傾向だということです。
JR東日本によりますと、先月22日から26日までの平日5日間に首都圏のJRを利用した人は、緊急事態宣言解除直前の5月18日から22日と比べ1.76倍と急増していました。

ところが、今月に入ってからの利用者は、先月より微増しているもののほぼ横ばい傾向で、先月までのような大きな伸びはみられないということです。

利用者数を去年の同じ時期と比べても、先月末は65%ほどだったのが今月は70%ほどで、およそ5ポイントの伸びにとどまっているということです。

山手線の朝の通勤時間帯の利用者は先月末からほぼ横ばい傾向で、通常期の62%から64%で推移しています。

新幹線と特急列車の利用も今月に入ってほぼ横ばいの状態となっていて、先週の平日の利用は去年同時期の39%、土曜日と日曜日の利用は去年同時期の30%となっています。

鉄道各社の対策は?

ことし5月末に緊急事態宣言が解除されて以降、利用者が増加傾向にある中で、首都圏の鉄道各社は対策に力を入れています。

電車内では車内換気の効率を上げるため、窓を開けた状態での運行を行っているほか、車内のつり革や手すりなどについても定期的に消毒を行っています。

駅では係員がマスクを着用して接客するほか、窓口では飛沫感染を防ぐためシートが設置されています。人が触れる券売機などは定期的に消毒されています。

混雑情報の発信にも力を入れていて、鉄道各社はホームページで路線や主要な駅ごとの混雑情報を時間帯別に表示しています。

JR東日本や東急電鉄などではスマートフォンのアプリで、運行中の列車の混雑情報や、駅の改札に設置したカメラの映像をリアルタイムで発信しています。

座席や手すり 抗ウイルス加工も

東京メトロではすべての車両の座席や手すりなどを抗ウイルス成分の薬剤でコーティングするなど対策をしています。

東京メトロは新型コロナウイルスの感染防止対策として、所有するすべての車両2720両について来月中旬までに抗ウイルス加工を施すことにしています。

この抗ウイルス剤は人体に影響がないとされる銀イオンが主な成分で、新型コロナウイルスへの効果は確認されていないものの、インフルエンザウイルスや大腸菌などへの効果はあり、半年から1年程度は効果の持続が見込めるということです。