北朝鮮 新型コロナ感染疑いと報道 ケソンを完全封鎖

北朝鮮 新型コロナ感染疑いと報道 ケソンを完全封鎖
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北朝鮮の国営メディアは、韓国に脱北したあと軍事境界線に近い北朝鮮南西部のケソン(開城)に違法に戻ってきた人物が新型コロナウイルスに感染している疑いがあると明らかにしました。

これを受けてキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は、ケソンを完全封鎖したうえで、最大限の緊急態勢をとるよう指示しました。
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、3年前に韓国に脱北した人物が、今月19日、北朝鮮南西部のケソンに違法に戻り、新型コロナウイルスの感染が疑われていると明らかにしました。
これを受けて、キム・ジョンウン委員長はケソンを完全封鎖するよう指示したうえで25日、党政治局の緊急会議を開催し、「新型コロナウイルスが流入したとみることができる危険な事態が発生した」と述べて危機感をあらわにしました。

会議では、国内で最大限の緊急態勢をとるとする決定書を採択したほか、軍事境界線のゆるんだ警戒勤務について厳しく指摘し、責任のある部隊を厳重に処罰することを話し合ったということです。

北朝鮮は、新型コロナウイルス対策としておよそ半年にわたって中国やロシアとの航空便や列車を停止するなど、人の往来や物資の移動を制限していることから国内経済が打撃を受けていて、さらなる影響は避けられないものとみられます。

北朝鮮は、これまで国内で新型コロナウイルスの感染者は1人もおらず、安定した防疫態勢を維持できていると主張していました。

韓国大統領府「事実関係を確認している」

韓国大統領府の関係者は報道陣の取材に対し、「関係省庁で現在、事実関係を確認している。今はそれ以上話すことはできない」と述べ、脱北して再び北朝鮮側に行った人物がいるのかや、北朝鮮側から連絡や抗議があったかどうかについて明らかにしませんでした。