14人犠牲の「千寿園」で何が 救出された利用者が証言 熊本

14人犠牲の「千寿園」で何が 救出された利用者が証言 熊本
「とても怖かった…」。
入所者14人が亡くなった熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」。屋上に避難して難を逃れた86歳の女性が取材に応じ、当時の施設内の様子を語りました。
取材に応じてくれたのは、球磨村に住む横田サツ子さん(86)です。横田さんはふだんから「千寿園」をデイサービスで利用していました。

大雨の特別警報が発表される前日の今月3日夜は、職員の勧めで施設に避難し、泊まっていたといいます。当時の様子を次のように話してくれました。

(横田さん)「私は夜はぐっすり寝ていたので、雨が降っていたのは知りませんでした。ひと晩泊まって、翌日は家に帰ろうと思っていたんです。1階に寝てたら、朝の6時ごろに職員さんが起こしに来て『あっちいかんばですね』(あっちにいかないといけないですね)と言われたので、押し車で行ったんですよ」

(記者)どこに避難したのですか?

(横田さん)「施設の2階に上がって、車いすに乗って移動しました。屋上に上がるときには、看護師さんに支えてもらいながら屋上にあがりました」

(記者)それは怖かったですね。

(横田さん)「怖かったですよ。屋上に畳が敷いてあったので、そこに横になって過ごしました。川からあふれた水が建物に上がってきた状況は見ていません」

早朝に避難した横田さんは、このあと夜まで一緒に避難した人たちと屋上で過ごしました。その間、食事などもとれなかったといいます。

そして夜になって、施設から避難した時の様子について次のように話してくれました。

(横田さん)「下に降りないといけないと言われて階段を降りていたら、5、6段降りたところで水があるわ、泥があるわで、階段の下に降りたときは水が引いてなかったから、水がじゃぶじゃぶはいって靴もよごれました。玄関で車いすに乗って、車のあるところまで移動しました。自衛隊の人が来て、赤い救命胴衣を着せてくれました。背負ってくれ、ボートで避難しました。大変でした。はじめてです、こういう目にあったのは」

(記者)被害に遭った人は見ましたか?

(横田さん)「その場にいなかったので、分からなかったです」「お世話する人(職員)が少なかったから、間に合わなかったんですかね」

横田さんは1人で暮らしていた自宅も今回の豪雨で被災しました。今は多良木町内の病院に身を寄せています。不安な胸の内についてこう話しています。

「命は助かりましたが施設もつかり、帰るところがないです。これからどこか探さないといけないですね」