北朝鮮による拉致被害者 地村保志さんの父親死去

北朝鮮による拉致被害者 地村保志さんの父親死去
北朝鮮による拉致被害者、地村保志さんの父親の保さんが、10日未明、福井県小浜市の病院で亡くなりました。93歳でした。
地村保さんは昭和53年に、息子の保志さんと当時婚約していた妻の富貴恵さんが小浜市内の公園の展望台で失踪したあと病気の妻を看病しながら2人の行方を捜し続けてきました。

北朝鮮による拉致の可能性が高まると家族会を結成して政府に繰り返し問題の解決を要望するなど活動を続けました。

拉致から24年後の平成14年に、保志さん夫婦が帰国を果たしたあとも保さんは拉致問題の全面的な解決に向けて全国各地で署名や講演を行うなどして支援を続けてきましたが最近では体調を崩して入退院を繰り返していたということです。

保さんは10日午前2時半すぎに小浜市内の公立小浜病院で誤えん性肺炎のため亡くなったということです。93歳でした。

拉致被害者の家族をめぐっては、ことし2月に神戸市出身の有本恵子さんの母親の嘉代子さんが亡くなり、先月には、新潟市の学校から帰る途中拉致された横田めぐみさんの父親で、40年以上もの間、娘の救出活動を続けてきた横田滋さんが亡くなっています。
地村保さんの死去を受けて、保志さんと富貴恵さんが連名でコメントを発表しました。

コメントでは、「父は、生前、私たち拉致被害者の救出に向け全力で闘ってくれました。そのおかげで私たちは無事祖国日本へ帰国を果たすことができました。父の救出活動がなければ私たちの帰国もかなわなかったと思います。改めて心から感謝したいです」としています。

そのうえで、「横田めぐみさんの父親の滋さんに続き、父も亡くなり拉致被害者と家族は高齢化していて解決には一刻の猶予もありません。父は生前、すべての拉致被害者が帰国できることを心より望んでいました。父の遺志を引き継ぎ、われわれの世代で拉致問題が解決されるよう今後も取り組んでいきたいと思います」として拉致問題の1日も早い解決の必要性を改めて訴えています。

官房長官「親子の再会の時には胸が熱くなった」

菅官房長官は訪問先の北海道白老町で記者団に対し、「地村保さんが逝去されたことに、心よりお悔やみを申し上げる。2002年10月に、ご子息の保志さんが富貴恵さんとともに帰国され、親子での再会を目にした時は、胸が熱くなる思いがした」と述べました。

そのうえで、「こんにちまで、多くの拉致被害者の方々が、北朝鮮に取り残されていることに対して大変申し訳なく、心からおわびを申し上げたい。ご家族も高齢となる中で、すべての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向けて、拉致問題担当大臣として、安倍政権として全力で取り組んでいく」と述べました。