プロ野球 新しいスタイルで応援 観客最大5000人入れ試合

プロ野球 新しいスタイルで応援 観客最大5000人入れ試合
プロ野球は10日夜、観客を最大で5000人まで入れて試合が行われ、各球場ではファンが、できるだけ声を出さずに拍手や手拍子をする新しいスタイルで応援しました。
プロ野球は先月19日に開幕し、これまで3週間は無観客で試合を行ってきました。

そして、10日夜からは政府の方針にのっとって最大で5000人まで観客を入れて5試合が開催されました。

このうち、首都圏で唯一の試合となった千葉市のZOZOマリンスタジアムでのロッテ対西武には4891人が訪れました。

試合前には場内アナウンスで「ご来場ファンの皆様、ZOZOマリンスタジアムにおかえりなさい。きょうは球場での野球観戦どうぞ楽しくお過ごしください」と、球団からこの日を待ち望んでいたファンに向けたメッセージが送られました。

場内アナウンスや大型ビジョンでは、いつものようにジャンプしながらの応援や大声や歌を歌っての応援をしないよう注意が呼びかけられました。

マスク姿の観客は自分の席で静かにプレーを見守り、応援団がいない中、打球の音やベンチからの選手たちの声が聞こえる、いつもと違った雰囲気の試合を楽しんでいました。

この試合でホームランを打ったロッテの井上晴哉選手は「打席に入る際の手拍子や拍手でいい雰囲気で打席に立たせてもらった。これからもファンに感謝してプレーしていきたい」と話していました。

千葉市内から訪れた28歳の男性は「実際に見ると迫力も違うし、プロ野球選手もこんなに試合中に声を出しているんだとわかっておもしろかった。井上選手がホームランを打ったときはほかのファンとハイタッチをしたいと思ったが、こういう状況なので我慢した」と話していました。

千葉県内から訪れた40歳の女性は「応援団がいないのはさびしかった。大きな声で選手の名前を呼んで応援したかったが、我慢しながら拍手をして心の中で応援した。早くもとどおり応援できるようになるといいなと思う」と話していました。

また「ほっともっとフィールド神戸」で予定されていた巨人対ヤクルトの試合は、開始直前に雨の勢いが強まったため中止となりました。

こうした中、球場での観戦を心待ちにしていたファンの思いに応えようと、ともに3年目の巨人の岸田行倫選手とヤクルトの宮本丈選手が全力でグラウンドを走りまわり、最後はシートにできた水たまりでヘッドスライディングをしてスタンドを盛り上げました。

岸田選手は「雨が強くなってきて、選手の中で、ファンのために誰かがパフォーマンスをしないといけないだろうと話が出ていた。準備はできていた」とベンチでのやり取りを明かしました。

巨人の原辰徳監督は、観客を入れた最初の試合が中止になったことについて、「われわれにも特別な意識があったし、5000人とはいえ、見渡すとかなり席が埋まっているように思えた。仕方がないとはいえ残念」と話していました。