陸自オスプレイ 千葉 木更津に配備開始 首都圏上空も飛行想定

陸自オスプレイ 千葉 木更津に配備開始 首都圏上空も飛行想定
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陸上自衛隊の新型輸送機、オスプレイは10日午後、最初の1機が千葉県の木更津駐屯地に到着し暫定的な配備が始まりました。防衛省は、当初の計画どおり、佐賀県の佐賀空港への配備をめざすとしていますが、現時点で時期の見通しは立っていません。

佐賀空港へ配備めざすも見通し立たず

陸上自衛隊の新型輸送機オスプレイ17機について、防衛省は、佐賀空港への配備を計画していますが、地元との協議がまとまっていないことから、木更津駐屯地に暫定的に配備することにしています。

このうち、最初の2機は、ことし5月、山口県のアメリカ軍岩国基地に陸揚げされ、整備などが行われてきました。

そして10日、このうち1機が木更津駐屯地に向けて飛行し午後4時すぎ、到着して暫定配備が始まりました。当初は今月6日に飛行を予定していましたが、悪天候で延期が続き4日遅れての配備となりました。

陸上自衛隊によりますと今後1か月程度かけて機体を詳しく点検したあと地上でエンジンの動作確認などを行うということです。また、防衛省によりますと早ければ来月にも飛行を始めますが、地元で安全性などへの懸念が根強いことも踏まえ、駐屯地内での基礎的な訓練から、段階的に広げることを想定しているということです。

暫定的な配備の目標は5年以内とされ、当初の計画どおり佐賀空港への配備をめざすとしていますが、地権者との交渉が必要で、その後の施設整備の工期も確定していないため、現時点で時期の見通しは立っていません。

首都圏上空を飛行するケース増が想定

木更津駐屯地に暫定配備されたオスプレイが、本格的に訓練を始めると、首都圏や関東周辺の上空でも飛行することが想定されています。

オスプレイの訓練には、
▼駐屯地内やその周辺でのホバリングや離着陸の訓練、
▼それに県内外の演習場に展開する部隊訓練などがあります。

部隊訓練の主な展開先は、
▼千葉県の習志野演習場や、
▼静岡県と山梨県にまたがる富士地区の演習場、
▼群馬県の相馬原演習場、それに
▼新潟県の関山演習場などが挙げられています。

このうち、群馬県の相馬原演習場への飛行ルートでは、
▼東京湾沿いを飛行して江戸川から荒川沿いに北上するルートや、▼東京湾から横浜を経由して北上するルートがあり、
首都圏の上空を飛行することが想定されています。

このほか、アメリカ軍では、東京の横田基地に配備しているオスプレイを、4年後の令和6年ごろまでに、現在の5機から10機に増やす計画もあり、今後、首都圏の上空をオスプレイが飛行するケースが増えることが想定されます。

防衛省 住宅地上空飛行避けるなど配慮

防衛省は、オスプレイの訓練について、住宅地上空の飛行を避けるなど、安全や騒音に配慮したうえで、行うとしています。

このうち、訓練で駐屯地に離着陸する際は、住宅や学校への騒音の影響を抑えるため、原則として、駐屯地の西側の東京湾の海上を中心としたルートで飛行するとしています。

また夜間の飛行訓練については、騒音への影響を考慮して、住宅地の上空を避けるとしています。

特に低い高度で飛行する訓練については、千葉県の中南部の訓練エリアのうち、住宅のない場所で行うことを想定しているということです。

一方、こうした訓練について、防衛省は、気象条件や安全の確保のため、やむを得ず住宅地の上空を飛行せざるを得ない場合もあるとして、理解を求めています。

周辺の住民 さまざまな声

オスプレイの飛行が想定されている演習場のなかでも住宅などが密集する地域にある演習場周辺の住民からは、さまざまな声が聞かれました。

八千代市の70代の女性は、「すでに騒音がひどいのでさらにオスプレイが飛行すると聞いて本当に嫌な気持ちです。オスプレイについてはさまざまな部品が落ちるトラブルも起きているので、安全面も不安です。市などから何も説明がなく、きちんと説明すべきだと思います」と話していました。

また八千代市の30代の男性は、「安全面で不安ですし、怖いです」と話していました。

一方、習志野市の60代の男性は、「演習場から100メートルほどのところに20年住んでいますが、騒音問題などは仕方がないことだと思います。オスプレイの配備などは国が決めることですし、千葉にオスプレイを配備してほしくないからといって違う場所に配備出来るかというとそれも無理な話なので、地域で協力していくしかないと思う」と話していました。

木更津市長「防衛省などと連携 市民にはご理解を」

オスプレイが到着したあと、木更津駐屯地内で着陸の様子を見ていた木更津市の渡辺芳邦市長は記者団の取材に応じ、「1機目のオスプレイが着陸し、きょうから5年以内を期限とする暫定配備が始まる。安心・安全を第一に考えながら、市民の不安を解消できるよう防衛省などと連携して行くので市民の皆様にはご理解をいただきたい」と述べました。

千葉 森田知事「徹底した安全対策 情報はしっかり提供を」

千葉県の森田知事は「防衛省にいつもお願いしているが、徹底した安全対策をとり情報はしっかり提供してもらいたい。最も大事な県民の安全・安心が確保されるよう、木更津市と連携を取って対応していきたい」と話していました。

陸自元幹部「情報など 丁寧に提供していく必要」

陸上自衛隊の元幹部で国際大学の副学長を務める山口昇さんはオスプレイはこれまでのヘリコプターより航続距離も長く、木更津駐屯地を拠点に全国各地を飛行し訓練を行う可能性が高いと指摘します。そのうえで防衛省は演習場周辺の自治体や住民に対して訓練に関する情報などを丁寧に提供していく必要があるとしています。山口さんは「首都圏で言えば、習志野演習場は住宅地が近く人口密度が高いので住民が心配するのは当然です。関東近郊は人口が非常に多いところなので、繰り返し丁寧に説明していくことに尽きると思います」と話していました。