セルビア 新型コロナの夜間外出禁止見送り 抗議デモ受け

セルビア 新型コロナの夜間外出禁止見送り 抗議デモ受け
ヨーロッパのセルビア政府は、新型コロナウイルスの感染者が増えてきたことから、再び夜間の外出禁止措置を行う方針を示したものの、市民グループなどによる抗議デモが広がり、一部の参加者と警察が衝突する事態になったことを受け、外出禁止措置を見送ることを決めました。
ヨーロッパ南東部のバルカン地域にあるセルビアでは、新たに確認される1日当たりの新型コロナウイルスの感染者が、今月2日には359人になるなど再び増えてきていることから、ブチッチ大統領が7日、この週末に再び夜間の外出禁止措置を行う方針を示しました。

ところが、野党系の市民グループなどが強く反発し、7日夜には首都ベオグラードの議会前で数千人規模の抗議デモが行われ、一部の参加者が議会に乱入しようとして、警察が催涙ガスを使って排除する騒ぎが起きました。

また、8日夜には、ほかの複数の都市にも抗議デモが広がり、一部の参加者が石や火炎瓶を投げるなどし、警察と衝突する事態になりました。

これを受けセルビア政府は9日、対応を協議し、夜間の外出禁止措置の実施は見送ることを決め、感染拡大を防ぐ対策として、ベオグラードで10人を超える集会の禁止などの措置をとると発表しました。

ヨーロッパではバルカン半島の国々など、一部の地域で再び感染が広がっており、マスクの着用を義務化するなど規制を強化する動きが出ています。