避難所生活の注意点 まず衛生管理 コロナ対策でこまめに消毒を

避難所生活の注意点 まず衛生管理 コロナ対策でこまめに消毒を
熊本県の被災地では避難生活の長期化が懸念されています。注意点について、避難所の生活環境に詳しい高知県立大学の神原咲子教授に聞きました。

まず衛生管理 泥を落とす こまめに消毒

まず大切なのが避難所での衛生管理です。水害の場合は靴や衣服などに泥がつきやすいため、避難所に入る場合は必ず靴を脱ぎ、服に泥がついている場合は、ウエットティッシュなどで拭き取ることが大事だということです。

断水が続いている中でこまめに手洗いをするのが難しいかもしれませんが、新型コロナウイルス対策も考え、アルコール消毒液などでこまめに消毒することが大事だといいます。

体調管理 水分を補給 体動かす 食事バランス

注意が必要なのが体調管理です。神原教授によりますと、避難所生活では、こまめに水分を補給し、適度に体を動かし、パンやおにぎりだけに偏らないようバランスの取れた食事をすることが大事だということです。

免疫力が落ちてしまうと新型コロナウイルスへの感染のリスクも高まってしまいます。

特に高齢の方はじっとしていることが多くなってしまいがちだということで、声を掛け合って一緒に運動するよう心がけてほしいということです。

また、新型コロナウイルス感染への不安から、これまで通院を控えていた人も多い傾向にあるということで、体調に少しでも異変を感じたら無理をせずに声を上げてほしいといいます。

分散避難で車中泊 エコノミークラス症候群に注意

神原教授が熊本の被災地で活動している看護師などに話を聞いたところ、現地では、避難所の密を避けるため分散して避難生活を送っているケースが多くみられるということです。

特に車中泊での避難が多く、現地では避難者が居場所や体調の把握が難しくなっているということです。

車中泊をしている場合は、こまめな水分補給をしたうえでトイレを我慢しないこと、エコノミークラス症候群を防ぐため定期的に車の外に出て体を動かすことなどを勧めています。

ボランティアは近隣から 新型コロナ警戒

神原教授は、被災地に入ってのボランティアなどによる支援活動は、まずは九州周辺といった近い場所からの支援を優先すべきだとしています。

神原教授は「東京など新型コロナウイルスの感染者が多いエリアから感染者の少ない被災地に入ることは、被災地での感染リスクを高めることになるので、現状では避けたほうがいいのではないか」と話していました。

一方で、2年前の西日本豪雨の際の避難所では、タオル、Tシャツなどの着替え、炭水化物ではない缶詰、経口補水液などのニーズが高かったことから、まずはこうした物資を現地に送る支援を考えてほしいとしています。