エンジェルス大谷 キャンプ再開初日から二刀流で調整

エンジェルス大谷 キャンプ再開初日から二刀流で調整
今月下旬の大リーグの開幕に向けて3日からキャンプが再開し、エンジェルスの大谷翔平選手はブルペンに入って投球練習を行うなど、初日から投打の二刀流で調整を行いました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大リーグは当初の予定からおよそ4か月遅れて、今月23日か24日に開幕する予定です。

大谷選手が所属するエンジェルスのキャンプは本拠地のアナハイムで3日から再開され、大谷選手は感染防止のためマスクを着用したうえで、自転車に乗って球場に入りました。

練習も少人数のグループごとに行われ、コーチ陣やスタッフは、全員マスクをして選手との距離を保つように注意していて、主力のマイク・トラウト選手もマスクをしながら調整していました。

大谷選手はおととし受けた右ひじの手術から、今シーズンはピッチャーとしても復帰する予定で、初日からブルペンに入ってスライダーやフォークボールなど4つの球種すべてで合わせて37球を投げました。

また、バッターの練習では先発候補の2人のピッチャーを相手に合わせて5回打席に入って、バットは振らずに投げ込まれるボールを見ながらタイミングを確認していました。

ピッチャーとしての復帰を前に大リーグの公式サイトが特集で紹介するなど、大谷選手は再び注目を集めていて、開幕からの先発ローテーション入りも期待されています。

ほかの日本人選手もキャンプ入り

プロ野球・西武から移籍し、今シーズンからレッズでプレーする秋山翔吾選手は、オハイオ州シンシナティの球場でキャンプに入りました。

秋山選手はフリーバッティングや外野の守備練習を行い、練習中には笑顔を見せるなど再開を心待ちにしていた様子をうかがわせました。

カブスのダルビッシュ有投手も本拠地のシカゴの球場でキャンプに入り、2日目の4日には、早くも紅白戦で登板する予定です。

ドジャースからトレードで移籍したツインズの前田健太投手は本拠地のミネソタ州ミネアポリスの球場でキャンプに入りましたが、前日の自主トレーニングでブルペンでの投球を行ったため、初日はキャッチボールなど軽めの調整を行いました。

前田投手は、練習後のオンラインでの会見で、60試合で行われるシーズンについて、「1つの登板も失敗できないと思うので1試合目から自分の100%の力を出せるような調整をしていかないといけないと感じる」と意気込みを示していました。

マリナーズの菊池雄星投手は本拠地のシアトルの球場でキャンプ入りし、初日からブルペンで変化球を交えて、およそ40球を投げました。

菊池投手はキャンプ再開について、「すごく待ちわびていたので、やっと始まったという感じで、気持ちよかった。いつキャンプが始まってもいいように、この3か月間調整してきたので、いつでも実戦で登板できる状態だ」と話し自信を示していました。

一方、同じマリナーズの平野佳寿投手はこの日は本拠地球場には姿を見せませんでした。

大リーグ 各球団に徹底した感染防止対策求める

アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、大リーグ機構は、各球団に対し徹底した感染防止対策を講じるよう求めています。

大リーグ機構と選手会は3日、キャンプの再開に備えて行った新型コロナウイルスの検査の結果を発表し、対象となった3185人のうち、38人で陽性反応が出たと発表しました。

内訳は、インディアンズの選手など選手が31人、ほかの7人はスタッフだったということです。

さらに、アメリカでは依然として感染の拡大が続いていることから、大リーグは各球団に対し徹底した感染防止の対策を講じるよう求めています。

これを受けて各球団は、球場に入る前に選手など全員の体温の測定を行うほか、選手に練習や試合以外ではマスクを着用することなどを呼びかけていて、選手どうしが十分な距離を取るための対策も講じています。

具体的には、選手のロッカールームに置かれたロッカーを1つ置きに使ったり、別の部屋を臨時のロッカールームにしたりして十分な距離が保てるようにしていて、立ち入りを厳しく制限しています。

さらに選手がトレーニングで使う施設でも、トレーニング機器を別の部屋に分散して配置するなど対策を行っています。

秋山翔吾選手が所属するレッズでは、ランニングなどのの有酸素運動を密閉した空間で行わないようにするために、トレーニングの機器を球場のコンコースに配置するなど工夫しています。

また感染防止のため、球場内やグラウンドで唾を吐くことは禁止されていて、大リーグで口にする選手が多いひまわりの種や、かみたばこなどのしこう品も禁止されています。

一方、ガムをかむことは唾を吐かないかぎり認められています。

また1か所の球場で報道陣が入って取材できるのは原則として35人までに限られていて、記者席も互いに十分な距離を保つように席が指定されているほか、手洗いなどの基本的な対策を徹底するように求めています。

コロナ影響で今季限定の特別ルール

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大リーグは今シーズン、通常は162試合のレギュラーシーズンが60試合で開催されるなど今シーズン限定の特別ルールも設けられています。

60試合は同地区対戦のみ

大リーグではこれまで、各チームが、所属する地区をまたいで対戦してきましたが、60試合のレギュラーシーズンでは、移動を制限するため西部・中部・東部のそれぞれの地区内だけに限って試合が行われます。

各チームは同じリーグどうしで40試合、ほかのリーグとは20試合を行います。

例えば、大谷翔平選手が所属するエンジェルスは、マリナーズやアストロズなどの同じアメリカンリーグ西部地区のチームと40試合を行い、ドジャースやジャイアンツなどのナショナルリーグ西部地区のチームとは20試合を行うことになります。

プレーオフに進出するチームはこれまでどおり、10チームになっています。

審判などへの抗議は即退場

また、監督や選手が自分の定位置から離れて、審判や対戦相手におよそ2メートル以内まで近寄って抗議をした場合や、必要のない身体的な接触をした場合は退場になり、罰金や出場停止の処分を受けます。

タイブレーク制の導入

延長に関するルールも変わります。

大リーグではこれまで引き分けはなく、延長に入ると勝敗が決まるまで試合が続けられてきましたが、今シーズンのレギュラーシーズンでは試合時間の短縮のため、延長10回からは二塁にランナーを置いて始めるタイブレーク制が導入されます。

ナ・リーグでも指名打者制

また、選手のけがを防ぐため、アメリカンリーグで採用されている指名打者制が大リーグの歴史で初めて、ナショナルリーグでも採用されます。

指名打者制があることで、各チームは主力の選手を守備に就かせず、バッターとしてのみ起用することができるほか、走塁などによるピッチャーのけがを防ぐことも期待されるということです。

けが人リストに新型コロナ枠を新設

さらに大リーグ機構は、けが人リストの中に特別に新型コロナウイルスに関する枠を設けて、ウイルスへの感染が確認された選手や感染の疑いがある選手はこの枠に入ることになります。復帰までの日数の制限はなく、選手はウイルス検査で2回続けて陰性にならないと復帰はできません。