ドイツ メルケル首相 90兆円規模のEU新基金 早期実現の考え

ドイツ メルケル首相 90兆円規模のEU新基金 早期実現の考え
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今月からEU=ヨーロッパ連合の議長国を務めるドイツのメルケル首相は、新型コロナウイルスの打撃を受けたヨーロッパ経済を立て直すため、90兆円規模に上るEUの新たな基金を早期に実現させたいとする考えを強調しました。
今月1日から半年間、EUの議長国を務めるドイツのメルケル首相は2日、EUのフォンデアライエン委員長とテレビ会談を行ったあと、共同で記者会見を行いました。

この中で、メルケル首相は、新型コロナウイルスの打撃を受けたヨーロッパ経済の立て直しに向けたEUの復興基金をめぐり、加盟国の間で協議が難航していることに懸念を示しました。

そのうえで、今月17日から行われるEU首脳会議を念頭に「合意をとりつけるため、ブリュッセルに向かう。夏の間には合意に至る必要がある」と述べて、議長国として復興基金をめぐる協議を早期にまとめて基金の設立を目指す考えを強調しました。

この基金の規模はおよそ90兆円に上り、感染状況が深刻だったイタリアやスペインなどは歓迎する一方、財政負担につながるとしてオランダなどは慎重な立場で、加盟国の間で意見が分かれています。

このほか、メルケル首相はEU議長国のリーダーとして、フォンデアライエン委員長とともにEUのかじ取りをしていくことについて、「かつては2人の男性が行ってきたがこれからは2人の女性によって行う。やっていける自信はある」と述べ、女性がリーダーシップを発揮していくことへの喜びを語っていました。