コロナ禍のシーズン開幕 課題と収穫は? 国内女子ゴルフ

コロナ禍のシーズン開幕 課題と収穫は? 国内女子ゴルフ
新型コロナウイルスの影響で開幕が3か月以上遅れた女子ゴルフの国内ツアーの今シーズン初戦は、陽性が確認されたり体調不良を訴えたりする選手や関係者は出ずに29日、すべての日程を終えました。出場した選手からは開催への感謝の声が聞かれた一方で、課題も見えました。

もし選手が再検査対象だったら…

国内女子ツアーはこれまで16大会が連続して中止になり、7月もすべての大会の中止が決まっていますが、今大会は主催する企業が「選手がプレーする場所を確保すべき」という思いで、観客を入れずに開催することを決断しました。

新型コロナウイルス対策として、大会に関わる人の数を例年の半分以下に減らし、会場に入る選手や関係者には、2週間前からの検温を義務づけて全員にPCR検査を実施しました。
ただ、選手やキャディーなどは事前に1か所に集まるのが難しいこともあって、大会初日の2日前に会場で検査を受けることになり、結果が出たのは初日前日の夜。ほとんどの人は陰性でしたが、判定できなかった人が4人いて翌日に再検査が必要となり、大会初日に関わることができませんでした。

主催者側は再検査を想定しておらず、もし選手がいた場合、陽性でないにもかかわらず大会に出場できないという事態が起きていました。
日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は、「検査を実施する日程を含めて、今後検討していかないといけない」と話していました。

観客の存在

大会中は、プレーする選手たちの間でも感染リスクを減らすことを意識したふるまいが見られました。バーディーを取ったあとキャディーと手のひらではなくひじを合わせたり、互いの体に触れないポーズで喜びを表したりしていました。

ただ、観客がいないと声援や拍手がないため盛り上がりに欠けることは否めませんでした。
予選落ちした渋野日向子選手は、「声援を受けることで気持ちも乗ってくる。改めてファンの人たちの存在の大きさを感じた」と話していました。

実力者の優勝争いと若手台頭の予感

さまざまな制約を伴って行われた今大会は、去年の賞金女王、鈴木愛選手とツアー3勝の渡邉彩香選手の2人の実力者が首位で並び、渡邉選手がプレーオフを制して5年ぶりの復活優勝を遂げて幕を閉じました。
優勝には届きませんでしたが、3日目を終えた段階では、21歳の田中瑞希選手と20歳の古江彩佳選手、さらにこの大会がプロデビュー戦の18歳、西郷真央選手の3人が上位を占めて最終日は最終組で回り、渋野選手ら「黄金世代」がツアーを席けんした去年に続いて、ことしも若い選手の台頭を予感させる幕開けとなりました。

初のネット生中継

また、大会中は毎日、最初の組のスタートから最終組のホールアウトまでをすべてインターネットで生中継するという新たな取り組みも行われ、4日間の視聴回数は4つのチャンネルの合計が29日午後7時時点で677万回を超えました。
大会を主催した製薬会社の大塚達也会長は「予想以上の反響、お褒めのことばをちょうだいした。ゴルフの新しい見方を提示できたのではないか。来年も引き続きやっていきたい」と手応えを口にしました。

次は早くて8月中旬

ゴルフは、来年に延期された東京オリンピックの代表争いも注目されていますが、女子の次のツアー大会は早くても1か月半後の8月中旬です。
日本女子プロゴルフ協会は今回得た収穫と課題を生かし、それぞれの主催者とともに今後の大会を安全に、かつ盛り上がるよう運営していくことが求められます。