世界の感染者1000万人超 各国で対応分かれる 新型コロナ

世界の感染者1000万人超 各国で対応分かれる 新型コロナ
世界の新型コロナウイルスの感染者は1000万人を超え、亡くなった人は50万人を超えました。感染者が最も多いアメリカでは一部の州で、経済活動の再開を見直す動きがある一方、ブラジルやインドは、経済の回復を優先させるなど対応が分かれています。

米国 12州で経済活動の再開方針見直し

世界の感染者の4分の1を占めるアメリカでは、南部や西部の州で感染者が急増し、このうちテキサス州やフロリダ州は人が集まるバーの営業を再び禁止するなど、地元メディアによりますと、12の州が経済活動の再開の方針を見直したということです。

ブラジル 感染拡大も経済活動再開の動き

一方、アメリカに次いで感染者が多いブラジルでは、経済活動を止めないというボルソナロ大統領の方針の下、感染の拡大が続いているにもかかわらず、経済活動を再開させる動きが広がっています。

最大都市のサンパウロでは、外出の際にマスクの着用が義務づけられていますが、7月からはレストランやバーなども、ほぼ全面的に通常営業に戻る予定です。

ブラジルでは、一部の都市で病院の集中治療室のベッドの占有率が急上昇しているほか、大都市が中心だった感染が地方都市にも広がってきていて、専門家の間からは懸念の声があがっています。

インド 感染者急増も経済回復を優先させる方針

また、世界で4番目に感染者が多いインドも感染者が急増していますが、政府は経済の回復を優先させる方針を鮮明にしています。

現状について政府は、13億の人口を抱えるインドでは感染者のうち亡くなる人の割合がおよそ3%で、100万人当たりの死者数とともに欧米などに比べて低く抑えられ、感染対策は一定程度、成功しているとして、経済活動の制限ではなく、医療によって死亡率が上がらないようにすることに重点を置く考えを示しています。

特に感染者が多い首都ニューデリーの地元政府も、厳しい制限を再び導入することには否定的で、検査の拡充と感染者の隔離、それに追跡調査の強化で、感染の拡大を防ぐとともに、宴会場やスタジアム、それに寝台列車などを軽症の患者の隔離施設として利用できるよう整備を進めています。

一方で、地元政府はニューデリーの感染者について、7月末までに現在の8万人から55万人まで増え、ベッドも8万床必要になると予測していて、受け入れ態勢の整備が課題となっています。