3万人超死亡のイタリアで犠牲者追悼の式典 新型コロナ

3万人超死亡のイタリアで犠牲者追悼の式典 新型コロナ
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新型コロナウイルスの感染が拡大したイタリア北部で、大統領も出席して犠牲者を追悼する式典が初めて開かれました。
イタリアではことし2月下旬に北部で新型コロナウイルスの感染が相次いで確認され、これまでに24万人を超える人が感染し、3万4738人が亡くなっています。

このうち、感染が最も深刻だったとされる地域の一つ、北部ベルガモ県では28日、墓地で犠牲者を追悼する式典が開かれました。

式典にはマッタレッラ大統領も出席し、「ここベルガモは苦しみ傷つき、嘆き悲しむイタリアを象徴する」と述べ、犠牲者を悼みました。そしてベルガモ出身の作曲家、ドニゼッティの「レクイエム」が演奏されました。

イタリアでは5月から感染が抑えられているとして外出制限が緩められていますが、こうした形での追悼式典は初めてで、そのもようは全国に生中継されました。

イタリア政府は、ベルガモ県ではこれまでに3130人が死亡したと発表していますが、一部の地元メディアは実際の犠牲者はその倍にのぼると伝えていて、一時は埋葬する場所が確保できず、遺体を軍のトラックでほかの地域へ運び出す事態になっていました。

遺族の間では、当局の対応の遅れが感染拡大を招いたとして、責任を追及する動きも出ています。