ペーパードライバー講習に関心高まる コロナ対策で車利用増か

ペーパードライバー講習に関心高まる コロナ対策で車利用増か
長い期間、車を運転していない、いわゆるペーパードライバー向けの運転講習に関心が高まっています。新型コロナウイルス対策として、公共交通機関を避けて車を利用しようという人が増えているためとみられています。
東京都内を中心にペーパードライバー向けの出張講習を行っている会社では、今月に入って予約数が大幅に増え、今月20日までに325件と、感染拡大前に比べて70%以上増えているということです。

受講料は1時間当たり5000円から6000円で、講師が利用者のもとを訪れて、補助ブレーキを取り付けた車で運転を教えます。

予約の増加について会社は、新型コロナウイルス対策として、公共交通機関の混雑を避けて車を利用しようという人が増えているためとみています。

東京 東村山市で講習を受けた30代の女性ドライバーは「10年くらい運転していませんでしたが、新型コロナの影響で電車やバスを使うのは避けたいので、日頃の買い物などに車を使えるよう講習を受けました」と話していました。

出張講習の会社「サワムラガク」の沢村秋岳代表は「買い物や子どもの送り迎え、それに通勤で車を使いたいという声が増えているので、ペーパードライバーが安心して運転できるよう丁寧に教えていきたいです」と話していました。

専門家「マイカーの移動見直されている」

シェアリングなど、車の新たな利用に詳しい大和総研の市川拓也主任研究員は「これまでは、二酸化炭素の排出量や交通量の削減といった側面から車を1人1台持つのではなく、シェアして使おうという流れが起きていた。それが、新型コロナウイルスの感染リスクを避けるためにマイカーでの移動が見直されているのだと思う」と指摘しています。

そのうえで、今後の見通しについて「短期的には公共交通機関よりも車のほうが使いやすいとして、多少高くついても車を借りたり、購入したりする動きが出てくるのではないか。一方、中長期的な視点でみると、環境意識の高まりが変わることはないので、マイカー移動の増加が続くかどうかは不透明だ」と話していました。