制限緩和の欧州 感染者数増加で各国の警戒強まる 新型コロナ

制限緩和の欧州 感染者数増加で各国の警戒強まる 新型コロナ
外出制限などの緩和が進むヨーロッパでは、新型コロナウイルスの新たな感染者が増えていることから、各国で制限を再び強化する動きが出ていて、警戒が強まっています。
このうちドイツでは、西部ノルトライン・ウェストファーレン州にある食肉処理工場で、従業員1500人以上が新型コロナウイルスに感染し、およそ7000人が隔離されています。

州のラシェット首相は23日、「工場の周辺地域に再びロックダウンを導入する」として、映画館や博物館、それにプールなどを今月30日まで閉鎖すると発表しました。

ドイツで経済活動の制限の緩和が始まったことし4月以降、地区単位で制限を再び強化する動きは初めてです。

新たな感染者は首都ベルリンなどでも増えていて、これまでにドイツ全体で19万人以上が感染し、亡くなった人は8900人を超えています。

このほか、ポルトガルでも首都リスボン周辺で、新たな感染者が増えていることから、レストランでは午後8時以降の酒の提供を禁止することにしました。

また、スペイン北東部でも農場で働く季節労働者などに感染が広がり、商店やレストランで一度に入れる客の数を規制するなど、制限を再び強化する動きが各国で出ていて、警戒が強まっています。

東欧でも増加傾向

東ヨーロッパでも新型コロナウイルスの新たな感染者の減少を受けて、制限の緩和を進めてきましたが、一部の国では感染者数が再び増加傾向に転じています。

このうちブルガリアでは、今月14日にマスク着用の義務を緩和する措置をとりましたが、その後、新たな感染者が増えたことが確認されたため、22日、店舗などでのマスクの着用を再び義務化すると発表しました。

また、ヨーロッパ南東部のバルカン半島の国々でも、新たな感染者が増えていて、このうちセルビアでは23日、テニス男子のスーパースターで、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手も検査で陽性反応を示したことが明らかになり、大きなニュースとなっています。