サウジアラビア イスラム教徒の大巡礼 規模縮小へ 新型コロナ

サウジアラビア イスラム教徒の大巡礼 規模縮小へ 新型コロナ
来月末から始まるイスラム教徒が聖地メッカを一斉に訪れる大巡礼、「ハッジ」について、サウジアラビア政府は、新型コロナウイルスの感染拡大の終息が見通せないとして、ことしは国外からの巡礼者の受け入れを中止し、国内の居住者の巡礼についても人数を制限することを明らかにしました。
聖地メッカとその周辺を巡礼する「ハッジ」は、イスラム教徒が経済的、肉体的に可能であれば一生に一度は行うべきとされる宗教的な義務の1つで、去年は世界中から200万人以上が参加しました。

ことしは、来月末から8月上旬にかけて行われる予定ですが、サウジアラビア政府は22日、国営通信を通じて、新型コロナウイルスの感染拡大の終息が見通せないとして、ことしは国外からの巡礼者の受け入れを中止するとともに、国内の居住者の巡礼についても人数を制限すると発表しました。

サウジアラビアでは、先月下旬から外出制限が緩和され、経済活動やモスクでの礼拝も再開されていますが、今も1日当たり3000人以上の新たな感染者が確認されていて、これまでに確認された感染者の数は16万人余りと、中東では3番目に多くなっています。

多くの巡礼者が長期間滞在する「ハッジ」は、サウジアラビアにとって外貨の獲得手段としても重要でしたが、規模を縮小することで、原油安も加えた国内経済へのさらなる影響が懸念されています。