都道府県またぐ移動各地で増加 自粛緩和後初の週末 新型コロナ

都道府県またぐ移動各地で増加 自粛緩和後初の週末 新型コロナ
都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和されて初めての週末となった20日と21日、都道府県をまたいで移動した人は1週間前の週末に比べて各地で増加しました。
NTTドコモは、携帯電話の基地局の情報をもとにプライバシーを保護した形で全国の人出のデータをまとめていて、この週末の20日と21日、住んでいるところから別の都道府県に移動した人の動向を分析しました。

それによりますと、首都圏や北海道では、
▽東京から、ほかの道府県に移動した人は、1週間前の週末に比べて11%増え、ほかの道府県から東京に移動した人も14%増えました。

▽神奈川県は、ほかの都道府県への移動が12%、ほかの都道府県からの移動が19%、それぞれ増えました。

▽北海道でも、ほかの都府県への移動が7%、ほかの都府県からの移動が19%、それぞれ増えました。

自粛の緩和を受けて、人の移動が増えたことがうかがえます。

一方、21日午後3時時点の各地の人出は、感染拡大前のことし1月中旬から2月中旬の休日の平均と比べて、
▽新宿駅周辺で25.4%
▽大阪 梅田周辺で26.1%
▽名古屋駅周辺で29.3%
▽福岡天神周辺で19%
▽札幌駅周辺で5.7%
それぞれ少ない状態でした。

人出は、感染拡大前の7割から9割程度に戻っています。

21日の各地の人出を1週間前の日曜日と比べると、
▽新宿駅周辺で2.5ポイント
▽大阪 梅田周辺で5.4ポイント
▽名古屋駅周辺で4ポイント
▽福岡天神周辺で7.2ポイント
▽札幌駅周辺で5ポイント
それぞれ増加しています。

新幹線 出張する会社員も

都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和されてから初めての月曜日の22日、静岡県のJR浜松駅では、午前中から新幹線を使って出張する会社員などの姿が見られました。

今月19日に、都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和されたことを受け、企業の間では都道府県をまたぐ出張について条件を緩和する動きが出てきています。

自粛の緩和から初めての月曜日となった22日、JR浜松駅の新幹線の改札の近くでは、午前中からスーツを着た会社員や大きな荷物を持った利用客が大勢行き来していました。

東京へ出張するという20代の会社員の女性は、「少し不安ですが、マスクも持ってきているので、しっかり対策をとりたい」と話していました。

また、栃木県から浜松市内の取り引き先へ向かうという50代の男性は、「最近はほとんど出張できず浜松市に来たのは久しぶりです。このあと愛知県豊橋市にも向かう予定で、ようやく取り引き先と直接会うことができるのでよかったです」と話していました。

関西の企業の中には国内出張の条件を緩和する動き

移動の自粛が全国で緩和されたことを受けて、関西の企業では国内出張の条件を緩和する動きが出ています。

▽パナソニックはこれまで出張は原則、自粛という扱いで、緊急性がある場合のみ上司が必要性を判断して認めていました。
19日からは国内の出張を全面的に認めることになり、通常の手続きで出張が可能になっています。

▽IT製品の周辺機器メーカー、エレコムは19日から東京を除く全国の出張を通常どおり認めることにしました。
ただ、東京だけは新型コロナウイルスの感染者が多いことから東京からの出張と東京への出張には役員の承認が必要になるということです。

▽大手住宅メーカーの積水ハウスは、これまで不要不急の出張を禁止していましたが、19日から国内の出張を認めています。
全国的に感染が拡大していたころは、オンライン会議を推奨していましたが、住宅の開発部門では新しい設計についてニュアンスが伝わりにくいなどの弊害があったということです。

▽積水ハウスでは「製品の検証などは実際にサンプル品を見ながらでないと議論が進まず、出張ができるようになって仕事の効率化がはかられそうだ」と話しています。

道後温泉本館で「すだれかけ」

先週、およそ2か月ぶりに営業を再開した松山市の観光名所道後温泉本館では明治時代から続く夏の風物詩「すだれかけ」が行われました。

明治27年に建てられ、国の重要文化財に指定されている道後温泉本館では保存修理工事が行われているため、利用者がくつろぐ休憩室は使えませんが、22日は本館西側1階の事務所と、2階の従業員の休憩室に天然の「あし」でできた、すだれおよそ20枚が1枚ずつ、丁寧にかけられていました。

120年以上にわたって続く伝統行事の「すだれかけ」は例年、6月上旬に行われていますが、ことしは新型コロナウイルスの影響で2か月間ほど休館を余儀なくされたため、およそ20日遅れての実施となりました。

地元の60代の男性は「やっと夏が来たという感じがします。観光客が来てくれたらうれしい」と話していました。

松山市道後温泉事務所の山内充所長は「感染予防策を講じながら、少しでも涼を感じてもらえるよう『癒やしの1つ』として行いました。この地域が早く、元どおりに戻ってほしいと思います」と話していました。

「すだれかけ」は、9月下旬まで行われます。

博多駅構内の土産売り場では

福岡市のJR博多駅構内の土産売り場では、週末を福岡で過ごした人たちの姿が見られました。

JR博多駅にある土産売り場は、これまでは去年の3割から4割ほどまで売り上げが減少していましたが、先週19日に都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和され、最初の週末だった20日と21日は、5割ほどまで回復したということです。

東京に単身赴任しているという50代の男性は「移動制限が緩和されたので、3か月ぶりに福岡の自宅に帰ってきました。家族とも久しぶりにゆっくり話すことができました」と話していました。

客足が徐々に回復する中、それぞれの店舗では新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと店員がマスクをして接客したり、こまめに消毒したりする様子も見られました。

博多織を使った小物を販売している店の従業員は「関東、関西に出かけるという客も少しずつ増えていて安心しています。今後もウイルスの感染にも気をつけながら販売していきたい」と話していました。