商業施設の混雑試算 滞在時間半分でピーク減

商業施設の混雑試算 滞在時間半分でピーク減
都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和され、経済活動の再開が進む中、最新の量子コンピューターを使って商業施設の混雑を緩和する方法を試算したところ、客が滞在する時間を半分にすれば客の数を減らさなくても混雑のピークを56%から49%減らせることが分かりました。試算を行ったベンチャー企業では新型コロナウイルス対策と経済活動を両立させる手がかりになるとしています。
この試算は東北大学発のベンチャー企業で、複雑な問題を高速で処理できる量子コンピューターを使った計算を手がける「シグマアイ」とNHKなどが行いました。

試算では、利用者の同意を得て分析した携帯電話の位置情報を元にスーパーマーケットやショッピングモールなどについて客の数を減らすことなく店内の混雑を緩和するにはどうすればいいかシミュレーションしました。

その結果、ふだんは特定の時間に混雑する時間帯がありましたが、客の滞在時間を半分に減らすと混雑のピークを56%から49%減らせることが分かりました。

中でもふだん1時間半程度、店内で過ごす客が滞在時間を半分にすると効果が大きかったということです。

シグマアイの大関真之さんは「天文学的な計算の結果、生活を大幅に変えることなく、これならできそうだなと期待できる結果が出た。入店の規制ではなく、密を避け、新型コロナウイルス対策と経済活動を両立する手がかりになるのではないか」と話しています。