米 NY州クオモ知事 「他人への思いやりが事態の克服に」

米 NY州クオモ知事 「他人への思いやりが事態の克服に」
新型コロナウイルスの感染拡大で、ことし3月から毎日、記者会見していたニューヨーク州のクオモ知事が、感染の沈静化を受けて、当面、最後となる会見を開き、「他人への思いやりが事態の克服につながった」と述べました。
19日行われた当面、最後となる記者会見は、テレビ演説の形で行われ、クオモ知事は、まず「新型ウイルスはなくなった訳ではない。まだやるべきことはある」と述べ、市民に注意を呼びかけました。

ニューヨーク州では、3月に入ってから感染が広がり、1日当たりの死者の数は最も多かった4月8日には799人と、2分足らずに1人が亡くなる事態に陥り、感染が世界で最も深刻だとされました。

その3月以降、毎日会見を行ってきたクオモ知事は、外出を厳しく制限し、他人と一定の距離を取る「ソーシャル・ディスタンス」の必要性を訴えるとともに、アメリカ人にはなじみの薄いマスクの着用も義務づけました。

その結果、死者の数は1日当たり30人以下まで減少し、ニューヨーク市も含めて経済活動の再開にこぎつけました。

クオモ知事は、これまでの会見で「必要なのはデータや事実であり、政治的な判断ではない」などと述べ、当初、同じように毎日、会見していたトランプ大統領との対比から、「次の大統領にふさわしい」といった声も上がりました。

一方で、外出制限の措置が遅れ、感染者を増やしたとの批判もあります。

3か月半に渡った記者会見の締めくくりに、クオモ知事は「誰かを思いやってマスクをする、他人が自分のことを思ってマスクをする。こうした他人への思いやりが事態の克服につながった」と述べ、市民の協力に改めて感謝していました。