EU首脳会議 90兆円規模の復興基金協議も各国意見折り合わず

EU首脳会議 90兆円規模の復興基金協議も各国意見折り合わず
EU=ヨーロッパ連合は、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の立て直しに向けて、新たに設ける90兆円規模の基金の配分などをめぐって、19日開いた首脳会議では各国の意見が折り合わず、来月、改めて協議することになりました。
EU域内の経済は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ユーロ圏のことし1年のGDP=域内総生産が最大で12%減少する可能性もあると見込まれるなど、大きな打撃を受けています。

EUは19日、テレビ電話による首脳会議を開きEUの執行機関、ヨーロッパ委員会が、先月提案した総額7500億ユーロ、日本円でおよそ90兆円にのぼる「復興基金」について協議しました。

この提案では、ヨーロッパ委員会が市場から調達した資金のうち、5000億ユーロは補助金として、2500億ユーロは融資として配分するとしています。

ただ、補助金の導入をめぐっては返済義務がないことから、イタリアやスペインといった感染状況が深刻だった国などは歓迎していますが、オランダやオーストリアなどは慎重な立場で足並みはそろっていません。

また、各国への配分や基準などをめぐっても意見は折り合わず、今回の首脳会議では結論が出ませんでした。

このためEUは来月、直接会う形の首脳会議を改めて開く方針ですが、各国の思惑は交錯していて、難しい協議が続きそうです。