かごしま国体 10月開催断念 「延期」扱いで新たな開催時期検討

かごしま国体 10月開催断念 「延期」扱いで新たな開催時期検討
新型コロナウイルスの影響で開催の可否が検討されてきたことし10月の国体=国民体育大会について、日本スポーツ協会や開催地の鹿児島県などが会見し、感染拡大を防ぐため10月の開催を断念したうえで、大会は延期の扱いとして新たな開催時期を検討していることを明らかにしました。
国体は都道府県の持ち回りで毎年行われ、ことしは10月に鹿児島県で予定されていますが、感染拡大の影響で予選となる地方大会の見通しが立たず、本大会の開催の可否が検討されていました。

これについて日本スポーツ協会とスポーツ庁、鹿児島県、それに同じ年に全国障害者スポーツ大会を開く日本障がい者スポーツ協会が19日都内で会見し、10月の開催を断念して鹿児島県での大会を延期することを明らかにしました。

国体の本大会の延期は昭和21年に大会が始まって以来、初めてです。

10月の開催を断念した理由について、選手や監督だけで全国からの参加者がおよそ3万人にのぼり、観客を含めると延べ80万人の来場が見込まれるとして、人の移動に伴う感染拡大のリスクが拭いきれないことを挙げています。

さらに開催時期の検討にあたって、医師から1年程度は国体の規模のスポーツイベントは開催が難しいと助言されたことを明らかにしました。

そのうえで鹿児島県での新たな開催時期については、早期に結論を出すとして引き続き調整を続けることにしています。

一方、来年以降の開催地となる三重県や栃木県など4つの県からは、鹿児島での開催が延期した場合も今後の開催に影響が出ないよう要望が出されていて、難しい調整が予想されます。

日本スポーツ協会会長「苦渋の決断」

鹿児島県で予定されていた国体の延期について、日本スポーツ協会の伊藤雅俊会長は「安全安心に万全を期すことは極めて難しく、苦渋の決断となった。国民の安全と健康を守ることを最優先にした」述べ、理解を求めました。

都道府県の持ち回りで毎年開かれる国体は、慣例でおよそ10年先まで開催地の順序が決められていて、来年は三重県で、再来年は栃木県での開催が決定し、2023年の佐賀県、2024年の滋賀県が内定しています。

伊藤会長は、鹿児島の大会の延期を決めたものの感染の終息が見込めないなかで、年度内の開催は難しいとしたうえで「中止はないように頑張っていきたい。全体としてどういう形が適切かいろいろな方々のご意見を伺って考えたい」と述べ、調整の難しさをにじませました。

鹿児島 三反園知事「早期の開催目指す」

鹿児島県の三反園知事は「ことし秋の大会は残念ながらできないが、大会の開催がきょう決まったことに心から感謝したい。鹿児島では48年ぶりの待ちに待った国体で、県民に夢と希望を与え子どもの記憶に残る大会にするよう長年努力してきており、延期を強くお願いしてきた。鹿児島県でできるだけ早く開催できるように関係者と連携したい」と述べました。

そのうえで、開催の時期については、「できるだけ早く決められるよう関係者とともに努力したい。鹿児島よりあとに開催する県の理解がないといけないので、心苦しく、ご迷惑をおかけするが、理解をいただいて調整し決着できるようにしたい」と述べました。