中国 北京で31人の感染確認 当局が対策強化 新型コロナ

中国 北京で31人の感染確認 当局が対策強化 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者が再び増えている中国の北京では、16日も新たに31人の感染が確認されました。地元当局は感染がほかの都市にも広がっていることを受けて、市民に対し必要がないかぎり市外に出ないよう指示するなど対策を再び強化しています。
中国の北京では、市内にある国内最大規模の食品卸売市場を訪れた人を中心に感染者が相次いでいて、中国の保健当局によりますと、北京で16日、症状のある感染者が新たに31人確認され、今月11日以降、感染者の数は合わせて137人となりました。

感染者が再び増えていることを受けて北京市の当局は16日夜、4段階ある新型コロナウイルスの警戒レベルを、2番目に高い水準に引き上げました。

また、16日は北京に隣接する河北省と東部の浙江省でも、それぞれ1人の感染者が確認されるなど、感染がほかの都市にも拡大しています。

このため北京市の当局は、市場の関係者と感染リスクが高いとされる地域の住民には、北京を離れることを禁止するとともに、それ以外の市民に対しても、必要がないかぎり市外に出ないよう求め、どうしても離れる必要がある場合は、事前にPCR検査を受けて陰性であることを証明するよう指示しています。

北京では17日から、市内の小中学校と高校のすべての児童と生徒の登校を取りやめて、オンラインでの授業に切り替えるなど、感染防止対策を再び強化しています。

感染拡大抑止へ 人の移動管理を強化

北京で新型コロナウイルスの感染者が再び増えていることを受けて、各地と結ぶ長距離バスの運行が停止されるなど、感染拡大を抑えるため人の移動の管理が強化されています。

北京の交通当局は新型コロナウイルスの警戒レベルの引き上げに伴って、16日夜、北京と各地を結ぶ一部の長距離バスの運行を、当面見合わせるよう通知を出しました。

このうち、北京の中心部から東に10キロほどの場所にある、天津や東北部に向かう長距離バスのターミナルは、17日朝から営業を停止しました。ターミナルの入り口には営業停止を知らせる通知が貼られ、駐車場にはバスがほとんど停車していませんでした。

ターミナルで働く男性は「ふだんは乗客がたくさんいるが、けさ9時にすべて止まってしまった。いつ再開するか分からない」と話していました。

一方、北京市内では人の移動の管理が厳しくなっています。

北京の東部にある大規模マンションでは入り口に警備員が立ち、敷地に入る住民に体温検査を行ったり、宅配業者などのIDカードをチェックしたりしたうえで、訪問先や電話番号を記入させていました。

北京では今月6日に新型コロナウイルスの警戒レベルが引き下げられ、団地などの地域コミュニティーや飲食店などを訪れる際に、体温検査を行う必要がなくなりましたが、中国メディアによりますと、北京市の当局は16日開いた会議で、地域コミュニティーごとに管理を徹底することを決めたということで、感染拡大に対する警戒が一段と強まっています。

北京の空港は人影まばら

北京で新型コロナウイルスの警戒レベルが引き上げられたことを受けて、中国メディアは北京を離着陸する航空便のキャンセルが相次いでいると伝えています。

北京首都国際空港のターミナルでは。電光掲示板に複数の航空便のキャンセルが表示され、人影もまばらでした。

中国の地方政府は、北京市の中でも感染リスクが高いとされる地域を訪れた人などについては、到着してから14日間の隔離措置をとるなどと相次いで表明しています。

北京市の当局も16日、北京を離れる場合は事前にPCR検査を受けて陰性であることを証明するよう指示していて、感染拡大を抑えるため、人の移動の管理を強化しています。

出張で北京を訪れ、四川省に戻る予定だという男性は「予定していた便がキャンセルされ、チケットを買い直しましたが、搭乗できるか分からないので問い合わせに来ました。もし、PCR検査の結果が必要なら、検査を受けてからでないと帰ることができません」と心配そうに話していました。