札幌 “昼カラ”集団感染相次ぐ 市「喫茶店でカラオケ想定外」

札幌 “昼カラ”集団感染相次ぐ 市「喫茶店でカラオケ想定外」
札幌市で昼間にカラオケができる喫茶店で、新型コロナウイルスの集団感染が相次いでいます。市は、喫茶店でのカラオケは想定外だったという認識を示し、マスクを着けて歌うなど感染対策をして楽しむよう呼びかけています。
札幌市とその周辺では、昼間にカラオケができる18の店舗を訪れた高齢の客や、従業員ら合わせて41人の感染が確認されました。このうち札幌市内の2つの喫茶店で、新型コロナウイルスの集団感染が発生しています。

札幌市保健所は「カラオケボックスは休業要請の対象で、感染拡大の可能性を把握していたが、喫茶店の中でカラオケが行われている実態は把握できていなかった」としています。

そして市と北海道は飛まつが、ほかの人に飛ばないよう距離をとり、マスクを着けて歌うことや、換気を十分に行うこと、複数のマイクを使ってこまめに消毒することを呼びかけています。

さらに、感染拡大を防ぐには、感染者に接触した人を速やかに特定することが重要だとして、店舗に対し利用者の連絡先を確認するよう求めています。

利用者「唯一の楽しみ」

札幌市白石区にある「カラオケ喫茶 遊」には、毎日、昼前になると60代以上の高齢者が集まり、憩いの場となっています。

この店では、1200円で軽食が付きコーヒーも飲み放題です。昼から夕方まで楽しむことができるとあって、12日も5人の客が訪れ、カラオケやおしゃべりを楽しんでいました。

カラオケが趣味で10年間、毎週通っているという80代の男性は、この店で仲間と会って過ごすことが唯一の楽しみだといいます。

男性は「自宅から店まで行くのがいい運動になるし、歌うことも健康にいいので、ここが週に一度の楽しみです。休業してお客さんも減っていて『昼カラ』が無くなったら、とても寂しい」と話していました。

この店では感染防止対策として、客席をパーテーションで仕切って、人と人との距離をとる工夫を始めました。

また、歌う場所と客席を透明なシートで遮り、飛まつの広がりを防ぐほか、歌い終わったあとはマイクを必ず消毒し、1時間に1回、必ず換気します。

店を切り盛りする森本邦子さんは「ここは生活の息抜きの場になっています。『ぜひ店に来て』と言うことは、今は難しい状況ですが、感染防止策をしっかりやりながら営業を続けていきたい」と話しています。