OECD コロナ第2波が起こる場合“日本は来年もマイナス成長”

OECD コロナ第2波が起こる場合“日本は来年もマイナス成長”
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新型コロナウイルスによって世界経済は大きな打撃を受けていますが、感染拡大の第2波が起きた場合、日本のことしの経済成長率はマイナス7.3%まで落ち込み、来年も回復せずにマイナス成長が続くという見通しをOECD=経済協力開発機構が公表しました。
日本などが加盟するOECDは10日、各国の経済成長率の予測を公表しました。

ウイルスの感染拡大をこのまま抑え込めた場合と、ことし後半に第2波が起こる場合の、2つのシナリオで示していて、どちらも同じ程度の可能性があるとしています。

それによりますと、感染拡大を抑え込めた場合、
▽世界全体の経済成長率は、ことしがマイナス6%、来年がプラス5.2%。
▽日本は、ことしがマイナス6%、来年がプラス2.1%としていて、来年は各国とも、弱いながらも回復に向かうと見込んでいます。

一方、第2波が起こる場合、
▽世界全体は、ことしがマイナス7.6%、来年がプラス2.8%。
▽日本は、ことしがマイナス7.3%、来年がマイナス0.5%としています。

このシナリオでは世界全体や、ほかの主要国は来年、回復に転じる一方、日本は回復せずにマイナス成長が続くという見通しです。

理由についてOECDは、日本の、もともとの成長力が非常に弱く、第2波によってそれがさらに弱まる見込みであるうえ、巨額の財政措置の効果が来年は薄れるためと説明しています。

そのうえで「いずれのシナリオでも、日本をはじめ世界各国の経済は、力強い回復を見込めない状況だ。失業率が高くなるなど、ウイルスの打撃は長期にわたる見通しで、影響を受ける人などに焦点を絞った支援が求められる」と指摘しています。

各国別 経済成長率の予測

OECDが公表した各国別の経済成長率の予測です。

まず、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めた場合です。

ことしは、
▽世界全体がマイナス6%
▽日本がマイナス6%
▽アメリカがマイナス7.3%
▽中国がマイナス2.6%
▽ユーロ圏がマイナス9.1%

来年は、
▽世界全体がプラス5.2%
▽日本がプラス2.1%
▽アメリカがプラス4.1%
▽中国がプラス6.8%
▽ユーロ圏がプラス6.5%となっています。

次に、ことし後半に感染拡大の第2波が起こる場合です。

ことしは、
▼世界全体がマイナス7.6%
▼日本がマイナス7.3%
▼アメリカがマイナス8.5%
▼中国がマイナス3.7%
▼ユーロ圏がマイナス11.5%

来年は、
▼世界全体がプラス2.8%
▼日本がマイナス0.5%
▼アメリカがプラス1.9%
▼中国がプラス4.5%
▼ユーロ圏がプラス3.5%となっています。

西村大臣「この見通しのようにならないようにするのが仕事」

西村経済再生担当大臣は、記者会見で、緊急事態宣言が出されていた間の国内の個人消費は、OECDが前提としたデータより落ち込んでいないと指摘したうえで、「今月は、経済活動の段階的な引き上げに入っており第1次補正予算の早期執行と合わせ、第2次補正予算案を早期に成立させていただき、迅速に執行していきたい。この見通しのようにならないようにするのが、私の仕事だ」と述べました。