Jリーグ 来月10日以降 感染対策し観客入れて試合

Jリーグ 来月10日以降 感染対策し観客入れて試合
サッカーJリーグの村井満チェアマンは、今月下旬から段階的に再開する公式戦について、政府の方針に従って来月10日以降、感染対策をとりながら観客を入れることを各クラブと申し合わせたことを明らかにしました。
JリーグはJ1が来月4日に再開し、J2とJ3はその1週間前となる今月27日から試合が行われます。

政府の「基本的対処方針」では無観客で始めるプロスポーツの試合について、来月10日以降、入場者の上限を5000人、または収容人数の半分程度以内の、いずれか少ないほうにまで拡大させるとしています。

9日は各クラブの代表者などが参加する実行委員会が開かれ、村井チェアマンは記者会見で、政府の方針に従って来月10日以降、感染対策をとりながら観客を入れることを、各クラブと申し合わせたことを明らかにしました。

また、Jリーグは選手や審判の健康状態を確認するために、今月20日をめどに2週間に1回、PCR検査を行う方針で、陽性が確認された場合は、保健所の指示に従って隔離などの措置をとるとしています。

こうした中、村井チェアマンは陽性が確認された場合の濃厚接触の扱いについて、行政の指導に従うとしたうえで「サッカーでは、目安となっている1メートルの間隔で、選手どうしが15分間しゃべり続けることはなかなか起きない。試合での選手の動きがわかる映像などを医療現場に提供しながら、よりよい判断ができるよう協力したい」という考えを示しました。

濃厚接触をめぐっては8日、感染防止策を検討するプロ野球との対策連絡会議で、専門家の1人も「サッカーの試合は、個人的に濃厚接触にあたらないと思う」と話し、濃厚接触にあたるかどうかは、スポーツ現場の実情を踏まえながら、独自に判断していく必要があるという見解を示しています。

専門家「感染状況落ち着き検査条件整う」

Jリーグが選手や審判などを対象に、2週間に1度、PCR検査を行う方針を示していることについて、日本感染症学会の理事長で、対応策の協議にも加わった東邦大学の舘田一博教授は「新型コロナウイルスは感染しても無症状の人が多く、知らぬ間に感染が広がってしまうという特徴がある。安心してスポーツを行ってもらうためには、定期的なPCR検査が必要だと考えて提案した」と話しています。

そのうえで、PCR検査の現状について「当初は検査能力が限られ、重症者やクラスター対策を優先させなければいけなかったが、いまは感染者も減り、キャパシティーが確保できるようになっている。公費を使わずに企業や団体が検査を行うことが可能になってきている」と述べ、感染状況が落ち着きつつある中で、検査できる条件が整ってきているという認識を示しました。

また、舘田教授は、経済活動の再開に伴ってPCR検査を受ける動きが今後広がっていく可能性があるとした一方、検査を受ける対象については「誰もが検査を受けるべきということにはならない。『密閉・密集・密接』の環境になりやすい、スポーツや接待を伴う飲食店など、感染リスクの比較的高い業態がまずは優先されるのではないかと思う」と指摘しました。