プロ野球とJリーグ “コロナ定期検査を” 専門家が意見

プロ野球とJリーグ “コロナ定期検査を” 専門家が意見
プロ野球とサッカーJリーグが新型コロナウイルスの対応策を協議する「対策連絡会議」が開かれ、感染症の専門家からは安全確保のためにすべての選手やスタッフを対象に定期的にPCR検査を行い、感染者がいないかどうか事前に確認したうえで試合を開催することが必要だとする考え方が示されました。
対策連絡会議はオンラインで開かれ、プロ野球やJリーグの代表者などが感染症の専門家から意見を聞きました。

会議では専門家から、安全確保のためにすべての選手やスタッフを対象に新型コロナウイルスのPCR検査を定期的に行い、感染者がいないかどうか事前に確認したうえで試合を開催することが必要だとする考え方が示されました。

PCR検査を巡ってはJリーグが公式戦の再開を前にした今月20日をめどに最初の検査を始め、その後も選手や審判などを対象に2週間に1回の検査を行う態勢をつくる方針を示しています。一方、プロ野球では12球団で統一した方針がこれまでありませんでした。

会議のあとの会見で、愛知医科大学大学院の三鴨廣繁教授は、プロ野球について「最初の検査を開幕前に行い、それ以降も月に1回程度の検査が妥当だとする案を示した。定期検査と発熱や体調不良があった人が受ける緊急対応検査に分けることも示した」と見解を述べました。

これを受けて斉藤惇コミッショナーは「試合の実施において重要となる事前の検査についてプランを示してもらった。定期的な検査についてどういう体制で行うか決めたい。12球団すべてに理解していただけることを願っている」と話していました。

Jリーグ「検査ガイドラインあす決める」

サッカーJリーグの村井満チェアマンは対策連絡会議で専門家から試合の再開に向けて選手などを対象に定期的にPCR検査を行う必要性が示されたことを受けて9日、各クラブの代表者が参加する実行委員会で、リーグとしての検査のガイドラインを決める考えを示しました。

Jリーグでは、すでに先週の理事会で、今月20日をめどに、選手や審判などを対象に2週間に1回のPCR検査を行う方針を示しています。

村井チェアマンは、会議のあとの会見の中で、ガイドラインの内容について「走りながら考える部分もある。法規制や医療行政なども確認しながら現状で使えるものからまとめバージョンを上げていきたい」と述べ、状況の変化に応じてガイドラインを更新していくことを明らかにしました。

専門家「ルール化が必要」

対策連絡会議のメンバーで日本感染症学会の理事長を務める東邦大学の舘田一博教授は、「緊急事態宣言が解除された後、感染の減少傾向は見られるが、東京や北九州でクラスターが出ている。水面下で広がっていることも否定できない。今までのPCR検査は症状が出た人や感染者の周りの濃厚接触者を対象にしていたが、今われわれが考えていかないといけないのは、スクリーニング検査、いわゆる健康診断のようなものだ。そういう中で陽性になった人たちをどう考えていくかを今から議論していかないといけないし、ルールを作っていかないといけない」と話していました。

専門家「安全・安心のためにPCR検査を」

対策連絡会議のメンバーで東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「安全、安心のためにPCR検査をすることは必要だということを示した。開幕前に全球団が検査を行う仕組みを作りたい。検査で陽性になった選手をどう処置していくかについてはデータが世界でも変わってきているので、現実的な対応をしていきたい。また、最初は無観客で試合が行われるが、今後、観客が入った時の私たちの考えも示したが、注意しながらやっていかないといけない。交通機関や食事などの総合的な対策をぜひとっていただきながら、段階的に進めてもらいたい」と説明しました。