休業要請で東京都提供のホテル 新宿区が利用期限の延長伝えず

休業要請で東京都提供のホテル 新宿区が利用期限の延長伝えず
ネットカフェに対する休業要請で行き場を失った人たちに東京都がホテルを提供している対策で、新宿区が利用期限が延長されたことを伝えず、滞在していたほとんどの人がチェックアウトしたことが分かりました。
東京都は、新型コロナウイルスの感染拡大でネットカフェに休業を要請するとともに、行き場を失った人たちを対象にビジネスホテルの部屋を無料で提供しています。

休業要請が現在も続いていることから、都は利用期限を当初の先月31日から今月14日に延長しました。

ところが、新宿区は区の生活困窮者向けの窓口を通じてホテルに入っていた98人に対し、今月1日の朝までにチェックアウトをして、生活の相談をしたい人は区の福祉事務所を訪れるよう求める文書を配ったということです。

利用期限の延長については伝えていなかったということで、98人のうち福祉事務所を訪れて再びホテルに入ったのは、9人だけでした。

今回の対応について、新宿区の担当者は「ホテルの滞在者に今後の住まいについて相談に来るよう促してきたが、連絡が取れない人が多かった。延長期限の前に相談に来てもらうためだった」としています。

困窮者を支援する団体の稲葉剛さんは「期限が延長されることを伝えなかったのは、“追い出し”と受け取られてもしかたない」と話しています。