アメリカ 暴行で死亡した黒人男性の追悼広がる

アメリカ 暴行で死亡した黒人男性の追悼広がる
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黒人男性の死亡事件を受けた抗議デモがアメリカ各地で続く中、死亡した男性の追悼式が、事件があった中西部ミネソタ州で行われ、男性の遺族は「正義が必要だ」と訴えました。
アメリカでは、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられ死亡した事件をきっかけに抗議デモが全米に広がっています。

事件から10日目となる4日、事件があった中西部ミネソタ州ミネアポリスでは、大学の礼拝施設に男性の遺族や支持者ら数百人が参列してフロイドさんの追悼式が行われました。

参列者の前には、フロイドさんのひつぎが置かれ、壇上に上がった遺族の1人が「正義が必要だ」と訴えました。
一方、抗議デモはこの日も全米各地で続いていて、このうちニューヨークでは、フロイドさんの弟を含む1000人を超える人たちが集まり、フロイドさんの名前を繰り返し呼んだり、用意した花を空に向かって掲げたりしてその死を悼みました。

この事件では、免職となった元警察官4人のうち1人が殺人の疑いで、3人が殺人をほう助した疑いでそれぞれ訴追されましたが、ミネソタ州の司法当局は、このうち男性の首を押さえつけた1人を、通常は故意のある殺人に適用され、より量刑が重い「第2級殺人」の疑いでも訴追しました。

その理由について司法当局は、「ミネソタ州では重罪を犯す意思を持って人を死なせた場合は、殺意の認定までは必要ない」と説明しています。

8分46秒間、黙とう

首都ワシントンにある連邦議会では、民主党の上院議員たちが集まり、フロイドさんが白人警察官に首を押さえつけられていた時間の長さにあわせ、全員で8分46秒間、黙とうし、その死を悼みました。

中には片ひざ、あるいは両ひざをついて黙とうする議員の姿も見られました。
片方のひざをつく姿勢は、2016年にNFL=アメリカプロフットボールリーグの選手が、警察官による黒人への暴行事件や人種差別に対する抗議として、試合前の国歌斉唱の際に起立を拒みひざをついたことがきっかけで広まり、差別への抗議を象徴するポーズとなっています。

黙とうに先立って東部ニュージャージー州選出で黒人のブッカー上院議員は「家族は彼のことをその死ではなく、家族思いで愛情にあふれ信心深い人物として記憶されることを望んでいる」と述べ、悼みました。

また、ワシントンでは、デモ行進も行われ、ホワイトハウス前を出発した数百人の参加者が「正義がなければ平和はない」とか「黒人の命は大事だ」などとシュプレヒコールを上げながら歩きました。

そして、黒人差別の撤廃を訴えたキング牧師の記念碑がある広場に集まったあと、フロイドさんが白人警察官に首を押さえつけられた時間と同じ、8分46秒にわたって黙とうをささげ、死を悼みました。

南部バージニア州から参加した16歳の白人の高校生の女性は、「アメリカの警察組織は黒人を不当に扱っている。政府が人々の声を聞き、変革がもたらされるまで抗議活動を続けたい」と話していました。