来年の高校入試 出題範囲に不安が半数近くに 奈良県

来年の高校入試 出題範囲に不安が半数近くに 奈良県
新型コロナウイルスの影響で多くの学校が臨時休校となった奈良県で、中学3年生を対象に来年の高校入試に関するアンケートを行った結果、出題範囲に不安があるという回答が半数近くに上りました。
奈良県教育委員会は一般選抜に先行して行う「特色選抜」の入試で、出題範囲を一部削減する方針を固め、さらに、出題範囲について検討していくことにしています。

これは、奈良県教育委員会の吉田育弘教育長が4日の記者会見で明らかにしました。

県内の多くの公立中学校では、新型コロナウイルスの影響で先月末まで2か月以上、臨時休校になって授業の遅れが懸念されています。

このため県教育委員会は、来年の公立高校入試の出題範囲を検討するため、受験を希望する中学3年生6000人余りを対象に、先月アンケート調査を実施しました。

その結果、73.8%が学校再開後の学習活動などについて不安を感じていると回答しました。

さらに、不安を感じていることを複数回答で尋ねたところ、入試の出題範囲が48.9%と半数近くになったほか、授業の進度が54.7%などとなりました。

こうしたことから県教育委員会は、一般選抜に先行して来年2月に行う「特色選抜」について、数学の出題範囲を一部削減する方針を固めました。

そのほかの教科や来年3月の一般選抜についても出題範囲を検討し、今月11日の教育委員会で決定することにしていて、吉田教育長は「生徒の不安を少しでも解消するため迅速に対応したい」と話しています。