東京国立博物館も約3か月ぶりに開館 コロナ対策で事前予約制に

東京国立博物館も約3か月ぶりに開館 コロナ対策で事前予約制に
緊急事態宣言の解除を受けて各地の博物館や美術館が徐々に再開する中、国内有数の規模を誇る東京 上野の東京国立博物館が2日、事前予約制でおよそ3か月ぶりに開館しました。
東京国立博物館は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2月27日から臨時休館が続き、予定していた特別展の中止や延期を余儀なくされるなどの影響が出ました。

緊急事態宣言が解除されたあと再開に向けた準備が進められ、2日午前10時半、およそ3か月ぶりに開館し、再開を待ち望んだ人たちが早速訪れていました。

再開にあたっては、館内の混雑を避けるためにオンラインによる事前予約制を導入して入館者数の上限が決められ、入り口でサーモグラフィーを使って発熱している人がいないか確認したり、受付などにアクリル板を設置したりして、感染防止にあたっています。

また、展示ケースの前に人が集まらないよう線が引かれたほか、館内にあるベンチは移動して間隔を空けたということです。

近くに住む60代の女性は「散歩でよく訪れていました。3か月間来られずにさみしい思いをしたので、とても楽しみです」と話していました。

東京国立博物館の銭谷眞美館長は「感染防止の対策を徹底したうえで、やっと開館することができ、ほっとしています。新しい生活様式の中に博物館でゆっくりと過ごす時間も加えてもらえればうれしいです」と話していました。

川崎 岡本太郎美術館も再開

緊急事態宣言の解除を受け、2日再開した川崎市の岡本太郎美術館では、ユニークな掲示で来館者に感染防止対策への協力を呼びかけています。

「川崎市岡本太郎美術館」は、川崎市出身の芸術家、岡本太郎の作品などおよそ2000点を収蔵していて、2日およそ2か月ぶりに再開すると、早速多くの人が訪れ、スタッフが消毒を呼びかけて体温を測ったうえで案内していました。

美術館では現在、岡本太郎の作品などを紹介する常設展のほか、フランスの彫刻家の作品を集めた企画展が開かれていて、観賞スペースの床には来館者が距離をとる目安として丸いシールが2メートル間隔で貼られていました。

また館内では、マスクをつけた岡本太郎の等身大パネルが「マスク着用をお願いします」と呼びかけたり、ベンチには間隔を空けて座ってもらうため「距離を保ちましょう」と書かれた岡本太郎の写真が置かれていたりと、ユニークな掲示で来館者に感染防止対策への協力を呼びかけています。

川崎市岡本太郎美術館の学芸員の大杉浩司さんは「深刻なテーマもユーモアをこめて表現する岡本太郎にならい、館内が3密にならないように心がけながら、大変な時期を岡本太郎と一緒にウィットで乗り切っていきたい」と話していました

都内の博物館や美術館は

東京都内の博物館や美術館は、都の休業要請の緩和の段階が「ステップ1」に位置づけられ、徐々に再開し始めています。

このうち、文化施設の集まる上野では
▽国立科学博物館
▽上野の森美術館が、1日から再開しています。

▽東京都美術館は、来月から再開する予定で、

▽国立西洋美術館
▽東京藝術大学の大学美術館は、再開時期が未定だとしています。

また、東京都によりますと、都立の博物館や美術館のうち
▽東京都庭園美術館
▽東京都江戸東京博物館
▽江戸東京たてもの園
▽東京都写真美術館
▽東京都現代美術館
▽トーキョーアーツアンドスペース本郷
▽東京都渋谷公園通りギャラリーの7つの施設は、2日までに再開しています。

一方、国立の美術館では
▽東京国立近代美術館は、4日から、

▽国立新美術館は、今月11日から、それぞれ再開する予定で、

▽国立映画アーカイブは、未定だということです。

開館していても、感染拡大防止のため展示やイベントの内容が変わっていたり中止したりしていることがあり、各館では、来館する前にホームページなどで情報を確認するよう呼びかけています。