山岳ガイド 8割超が収入減 “経済的支援 充実を” 新型コロナ

山岳ガイド 8割超が収入減 “経済的支援 充実を” 新型コロナ
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多くの登山客でにぎわう夏山シーズンを前に、新型コロナウイルスの影響で収入が落ち込んでいる山岳ガイドらが厚生労働省などに支援を求めて要望書を提出しました。
緊急事態宣言が全国で解除されましたが、一部の山では登山の自粛がいまも呼びかけられていて、富士山で山頂に通じるすべての登山道が通行止めとなり、山小屋も休業するなど、夏山シーズンを前に各地で影響が続いています。

これに伴い、専門知識をもとに登山客を案内する山岳ガイドらでつくる日本山岳ガイド協会が28日、支援を求めて4つの省庁に要望書を提出しました。

このうち厚生労働省では協会関係者が橋本岳副大臣に要望書を手渡し、多くのガイドの収入が大きく減少したとして、経済的な支援をさらに充実させ、登山活動の再開を後押ししてほしいと要望しました。

これに対し、橋本副大臣は「持続化給付金などを最大限利用していただいて、山岳ガイドという仕事や雇用を守れるようにともに取り組んでいきたい」と話していました。

要望のあと日本山岳ガイド協会の武川俊二理事長は、「苦しい状況はまだまだ続くと思います。ガイドへの支援をなんとかお願いしたい」と話していました。

80%超が収入減 “先見通せず”

新型コロナウイルスの感染拡大で登山活動の自粛が広がる中、日本山岳ガイド協会がガイドを専業にしている人や兼業している全国の山岳ガイド、およそ2000人を対象に先月27日からアンケートを行い、今月7日までの11日間で415人から回答を得ました。

このうち4月の収入を尋ねたところ「ほとんど収入が無かった」、または「ガイドとして収入は無かった」と回答し、収入が落ち込んだという人が80%(333人)を超えていました。

また、「緊急事態宣言」解除後のガイドの予定については「決まっていない」か「予定はあるが確定では無い」が合わせて88%(366人)にのぼり、山岳ガイドの仕事が先の見通せない状況にあるということです。

さらに今の状況が続いた場合に、いつごろ資金繰りがつかなくなるか尋ねたところ、今月が6%(25人)、1か月後が10%(44人)、2~3か月後が30%(125人)で半数近い山岳ガイドが夏山シーズンを含めて厳しい状況が続けばガイドの仕事を続けることは難しいと考えているものとみられます。