日産 6700億円超の巨額赤字 選択と集中の実行が課題

日産 6700億円超の巨額赤字 選択と集中の実行が課題
日産自動車のことし3月期の決算は、抜本的な立て直しに向けた構造改革の費用を計上したことなどから、最終損益が6700億円を超える巨額の赤字になりました。新型コロナウイルスの感染拡大で自動車業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、選択と集中を着実に進めて収益力を取り戻せるかが問われます。
日産が28日発表したことし3月期の決算は、アメリカなどでの販売不振に加えて6000億円余りの構造改革費用を計上したことで、最終的な損益が6712億円の巨額の赤字になりました。

日産は過剰な生産能力が課題になっていて、2023年度までの構造改革としてインドネシアの工場を閉鎖するほか、スペインの工場も閉鎖に向けて関係者と協議を進めるなど、生産能力を20%削減して拡大路線からの転換を図る方針を明らかにしました。

また、日本と中国、アメリカの3つの市場に集中し、向こう1年半に12の新型車を投入するほか、電気自動車の車種を増やすなどしててこ入れする考えです。

このほか、連合を組むフランスのルノーと三菱自動車工業との間での連携を強化し、それぞれが得意とする地域や技術で役割分担して3社全体で効率化を図る方針です。

一方、自動車業界を取り巻く環境は次世代技術をめぐる競争に加えて新型コロナウイルスの影響の長期化で厳しさを増しているだけに、日産や3社連合にとって選択と集中を着実に進めて収益力を取り戻せるかが問われます。