成田空港会社 業績見通し初の「未定」 コロナの終息見えず

成田空港会社 業績見通し初の「未定」 コロナの終息見えず
成田空港会社は、航空機の大幅な運休や減便が続いている影響で、来年3月までの業績見通しを初めて「未定」と発表しました。新型コロナウイルスの終息が見通せないなか、航空業界を取り巻く厳しい状況が浮き彫りとなっています。
成田空港会社が発表した、ことし3月までの1年間のグループ全体の決算によりますと、売り上げが前の年度より5%減って2371億円、最終的な利益は31.7%減って244億円で、東日本大震災が発生した平成23年度以来、8期ぶりの「減収減益」となりました。

一方、新型コロナウイルスの影響で先月の国際線の利用者は、前の年の同じ時期と比べて98%減少し、過去最低のおよそ6万9000人にまで落ち込むなど、航空需要が大幅に低迷していることから、来年3月までの業績見通しについては、初めて「未定」と発表しました。

こうした状況から、空港会社は成田空港に関連する企業の状況も、さらに厳しさが増しているとして、ターミナルビルに入居している事務所の賃貸料の減額など、新たに230億円規模の支援策を決めました。

田村明比古社長は記者会見で「利用者が戻るまでには相当の時間がかかると想定している。雇用を確保しなければ運航再開に備えることもできない」と述べ、危機感を示しました。