新型コロナの休校明け 「子どものケアをしっかり」

新型コロナの休校明け 「子どものケアをしっかり」
緊急事態宣言の解除に伴い、多くの学校が再開していますが、今、必要とされるのが子どもたちのこころのケアです。NPOの調査でも、子どもたちが休校中に、不安やストレスを抱えていたことが分かり、専門家は、「子どもが出すSOSや変化に周りの大人が気付いてほしい」と呼びかけています。
全国各地で学校の再開が相次ぎ、ようやく教室に子どもたちの笑顔が戻ってきました。しかし長期にわたる休校により、子どもたちはさまざまな不安やストレスを抱えています。

子どもたちから、電話やチャットで悩み相談を受けているNPO「チャイルドライン」が、新型コロナウイルスにより多くの学校が休校中に寄せられた延べ730件の相談内容を分析したところ、いらだちや憂うつといったネガティブな感情の相談が6割を超えていました。

夏休みなど長期の休みの前後には18歳以下の自殺が増える傾向にあることなどから、文部科学省も、学校の再開にあたり、教員と保護者が、子どもたちの様子に変化が見られないか連絡をしっかりとることなどを全国の教育委員会などに通知しました。

子どもの心のケアに詳しい、早稲田大学の本田恵子教授は、学校の再開で子どもたちのストレスは軽減されるとしながらも、学習の遅れを挽回するため多くの宿題が出されたり、子どもたちが楽しみにしている学校行事がなくなったりすることで、子どもたちが追い詰められることを懸念するといいます。

そのうえで「学校での生活も大きく変わり、人間関係も変わってくると、不安の高い子たちはいろんなSOSを出してくる。子どもは追い詰められると、相談できなくなるので、子どもたちのちょっとした変化やことばに、親も教員も気付いてあげてほしい」と呼びかけています。

子どもたちの相談先

不安を感じている子どもたちが相談できる機関もあります。

▽「24時間子どもSOSダイヤル」の相談先は、0120-0-78310です。
全国のどこからでも無料で、受け付けています。

▽「LINE」などを活用したSNSでの相談は、文部科学省の支援を受け、今年度は全国28自治体で実施されています。
実施されているのは、北海道、山形県、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、
長野県、岐阜県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、岡山県、徳島県、高知県、熊本県、仙台市、さいたま市、千葉市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、熊本市、大津市、そして野田市です。
自治体ごとに中高生にQRコードを配っているので、知りたい場合は、各地の教育委員会に問い合わせてください。

▽「チャイルドライン」の相談先は、0120-99-7777です。
午後4時から午後9時まで毎日、受け付けています。
また、オンラインのチャット相談も木曜日と金曜日を中心に「チャイルドライン」のホームページから相談できます。