ブラジル サンパウロ州 感染拡大が深刻も経済活動を一部再開へ

ブラジル サンパウロ州 感染拡大が深刻も経済活動を一部再開へ
南米のブラジルでは、1日に発表される新型コロナウイルスによる死者の数がアメリカを上回って国別で最も多くなるなど、感染拡大が深刻です。こうした中、経済規模が最大のサンパウロ州は、感染状況が最も深刻であるのにもかかわらず、患者を治療する体制がある程度整ったなどとして、来月初めから経済活動を一部再開すると発表しました。
ブラジルでは、サンパウロ州などで3月中旬から外出を制限する措置がとられていますが、感染の拡大に歯止めがかからず感染者の数は39万人を超えていて、1日に発表される死者の数はおよそ1000人と、アメリカを上回って国別で最も多くなっています。

こうした中、サンパウロ州の知事は27日、感染状況が国内で最も深刻であるのにもかかわらず、来月初めからレストランの店内での営業を認めるなど、経済活動を一部再開すると発表しました。

判断した理由について州の知事は、新型コロナウイルスの患者を治療する体制がある程度整ったためだなどとしています。

サンパウロ州では、2か月以上にわたる外出制限の影響で仕事を失う人が相次いでいて、貧困層だけでなく中間層以上の市民からも、経済活動の再開を求める声が高まっており、州側はそうした声に押し切られた形です。

ブラジルでは、経済活動の再開を求めるボルソナロ大統領に対し、人口規模が大きい州の知事らが中心となって活動を制限するべきだと主張してきました。

そうした中、人口、経済規模ともに国内最大のサンパウロ州が活動再開へかじを切ったことをめぐっては、支持する意見がある一方で、感染拡大がさらに深刻化しかねないと懸念する声も上がっています。