香港の治安法 米などの反対に中国が反発

香港の治安法 米などの反対に中国が反発
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抗議活動が続く香港の治安維持のため中国が直接、法律の制定に乗り出す方針を打ち出したことを受けてアメリカなどが強く反対していることに対し、中国外務省の香港の出先機関は「内政干渉をやめるべきだ」と反発しました。
中国では22日に開幕した全人代=全国人民代表大会で、抗議活動が続く香港について、香港の治安維持のための法律を中国政府主導で制定するとともに中国の関係機関による香港での取り締まりを認める方針を打ち出しました。

これを受けてアメリカ政府が強く反対する声明を出したほか、イギリスやオーストラリアなどの外相も共同で声明を出し深い懸念を表明しました。

これに対し中国外務省の香港にある出先機関の報道官は23日、声明を発表し「中国の主権を尊重し、内政干渉をやめるべきだ」と反発しました。

また、中国共産党の最高指導部のメンバーは23日、北京で香港の代表団と会談し、法律の制定により、国家の分裂や外国勢力の干渉を防げるなどという認識を示しています。

香港では、法律の制定をめぐる動きを受けて民主派の議員や団体などが市民の自由が大幅に制限されると強く批判しています。

香港では24日、デモが呼びかけられていて、今後、市民の反発がさらに広がることも予想されます。

香港の元総督「香港の市民は裏切られた」

イギリスの統治時代に最後の香港の総督を務めたクリス・パッテン氏は、イギリスの新聞、タイムズのインタビューで、香港の治安維持のため中国が直接、法律の制定に乗り出す方針を打ち出したことをめぐり、「中国は新たな形で独裁政治を進めている。香港の市民は裏切られた」と述べ、中国政府の対応を強く批判しました。

この中でパッテン氏は、香港を返還する際にイギリスと中国の間で香港の高度な自治を確認した共同声明が打ち砕かれつつあると指摘し、イギリスは道徳的、経済的、それに法的にも、香港のために立ち上がる義務があると主張しました。

また「中国に従順であり続ければ、富が得られるなどという考え方はまったくの幻想だ」などと述べ、イギリス政府は中国との関係を厳しく見極めるべきだという見方を示しました。