特定警戒都道府県の自治体で生活保護申請急増 新型コロナ

特定警戒都道府県の自治体で生活保護申請急増 新型コロナ
k10012441801_202005230517_202005230519.mp4
新型コロナウイルスの感染拡大に向けた取り組みを重点的に進める「特定警戒都道府県」に指定されていた13都道府県の主な自治体では、先月の生活保護の申請件数が合わせておよそ8500件に上り、去年の同じ時期より30%近く増えたことがNHKの調べで分かりました。
「特定警戒都道府県」は、人との接触機会の8割削減など感染拡大の取り組みを徹底するよう求められていて、先月の時点で東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の13の都道府県が指定されていました。

NHKは、こうした自治体で新たに生活保護を申請した人がどのくらいいるのか、人口の多い東京23区と12の道府県の政令指定都市や県庁所在地に取材し、独自に集計しました。

その結果、生活保護の申請件数はことし3月と先月で合わせて1万6539件に上り、特に緊急事態宣言が出された先月は8497件と、去年の同じ時期と比べて1826件、率にして27%増えたことが分かりました。

2か月間の申請件数を自治体ごとに見ますと、大阪市が3146件と最も多く、横浜市が1668件、名古屋市が1273件、札幌市が1142件、などとなっています。

各自治体によりますと、先月以降、感染拡大の影響とみられる申請が増え、30代から50代の比較的、若い世代の申請も目立ってきているということで、感染拡大による休業要請などが暮らしに深刻な影響を及ぼしていることが改めて裏付けられた形です。
生活保護制度に詳しい明治大学の岡部卓専任教授は「今後、自粛要請が解除されても雇用や消費がすぐに回復することは難しく、申請はさらに増えることが予想される。生活保護は最後のセーフティネットであり、その前の段階の対策をどれだけ打ち出せるかが重要だ」と指摘しています。(一部速報値を含む)