プロ野球Jリーグ対策会議で新提言“選手への事前検査を”

プロ野球Jリーグ対策会議で新提言“選手への事前検査を”
プロ野球とサッカーJリーグが新型コロナウイルスの対応策を協議する「対策連絡会議」が開かれ、専門家から無観客であれば試合を開催できる状況になってきているという見解が示されたほか、選手への事前検査を検討することなどを盛り込んだ新たな提言が出されました。
8回目の対策連絡会議はウェブ形式で非公開で開かれ、プロ野球12球団の代表者やJリーグの理事などが、感染症の専門家から意見を聞きました。

会議の後の会見で、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、シーズンの開幕や再開はすべての都道府県での緊急事態宣言解除が前提になるとしたうえで、「いつがいいというのは私たちから明言はできないが、現在の感染状況を見たときに開催できるような状況になってきている」と見解を示しました。

また、専門家チームから新たな提言が出され、
▽選手やチーム関係者に事前にPCR検査や抗原検査、抗体検査などのいずれかの検査の実施を検討することや、
▽当面は無観客で開催すること、
▽選手は試合後に体力や免疫機能が低下することが報告されているため、負担軽減を考慮した特別ルールを適用したり、発熱などの症状がなくても必要な休養をとらせたりするよう求めました。

提言に新たに盛り込まれた主な項目

22日開かれた対策連絡会議で感染症の専門家が示した提言の中に新たに盛り込まれた主な項目です。

試合を開催する判断基準として各チームが本拠地を置く都道府県の方針に従うことを前提としたうえで、選手やスタッフへの対策としてミーティングや打ち合わせをなるべく屋外で行うことや、会場を移動する際には常にマスクをつけることなどが加えられたほか、感染の有無を事前に確認するPCR検査や抗原検査、抗体検査などの実施を検討するべきだとしています。

そして、選手は試合後に体力や免疫機能が低下することが報告されているため、負担軽減を考慮した特別ルールを適用したり、発熱などの症状がなくても必要な休養をとらせたりするよう求めました。

また、観客への対応について、当面の間、無観客で試合を行うことや、観客の入場を認めたあともスタジアムでの飲食を禁止するなど、マスクをつけずに飲酒、飲食を続ける観客を減らす案を検討するべきと提言しています。

さらに、ウイルスの流行の状況によっては、選手やスタッフ観客の安全を第一に考え公式戦の中断や延期の判断を下す必要もあるとしています。

専門家「検査は説得力ある」

新たな提言の中で、事前の検査を検討するよう求めたことについて、愛知医科大学大学院の三鴨廣繁教授は「スタジアム、球場の感染対策、選手やスタッフへの感染対策の教育や啓発に加え、さらに安全を守るために検査をするという姿を見せると説得力がある。国内の感染者数が減少してきて、かつてはスポーツ選手だけが優先的に検査を行っていいのかという国民的な議論が出ると予想されたが、感染者数が落ち着いてきて、こういったことも可能であろうと判断した。事前の検査を前向きに考えていただきたい」と話していました。
プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「事前検査をやれるならやりたい。できるだけ選手、スタッフが検査を受けたという形で開幕できればという希望は持っている」と述べ、検討していく考えを示しました。
また、Jリーグの村井満チェアマンも「ドイツでは全選手にPCR検査を行っている。接触の激しい競技なので、Jリーグも可能ならば検査していきたい」と関係機関と協議していく考えを示しました。