けん玉のオンライン検定が注目 コロナ感染拡大の外出自粛で

けん玉のオンライン検定が注目 コロナ感染拡大の外出自粛で
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新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が続く中、自宅などにいながら「けん玉」の技を試すことができる「オンライン検定」が子どもを中心に注目を集めています。
公益社団法人の日本けん玉協会によりますと、「けん玉」は国内を始め世界各国でも人気が高まっていて、協会では技の習熟を試す検定を実施しています。

これまでの検定は審査員の前で技を披露する対面形式で行われていましたが、新型コロナウイルスの影響で外出の自粛なども続いていることから、インターネットで受検できるオンライン検定を先月27日から始めました。

検定では、応募した人はオンラインで審査員とつなぎ、けん玉の技を披露して、成功すると認定証が出されるということです。

協会によりますとオンライン検定は全国から子どもを中心にこれまでに120人余りの応募があり、問い合わせも多いときには1日で数十件寄せられているということです。

認定証の発行には費用がかかりますが検定は無料で、日本けん玉協会の堤早知子事務局長は「感染の影響が続いていますがオンライン検定をきっかけにけん玉の魅力を知っていただけるとうれしいです」と話していました。

オンライン検定は今月31日まで募集していて、来月も延長する予定だということです。

技の数は3万以上 人気のけん玉

昔ながらのおもちゃ「けん玉」は、数年前から若者の間で人気が高まっていて、SNSなどで自分の技の動画を投稿する人も出てきています。

けん玉の普及を進める日本けん玉協会によりますと、人気は海外にも広がっていて、イギリスやアメリカなどから参加する世界大会も国内で開かれているということです。

また、玉の上にけん先を乗せて静止する「ボーダーバランス」や糸を指に巻きつけながら巧みにけん玉を操る技など技も進化を続けていて、協会によりますと技の数は3万以上にのぼるということです。

休校中に親子で楽しむ

鹿児島県出水市の小学5年生、池袋陽太くん(10)は休校でゲームをする時間も多くなり、心配した母親の玲子さん(38)がけん玉のオンライン検定をすすめると、1人で取り組むようになったということです。

今月4日に初めての検定で10級に、2回目では7級まで合格しました。

今月7日から学校が再開しましたが、陽太くんは毎日練習を続けていて、両親と妹も刺激を受け家族全員がけん玉に取り組んでいます。

今月19日には陽太くんは母親の玲子さんとともに検定に挑戦しました。2人とも6級を合格し、さらに5級にも挑戦しました。

検定では、これまで2人とも練習では1度も成功したことのない玉の穴にけん先を入れる「飛行機」という技も含まれていました。

玲子さんは1回目で成功し、陽太くんは失敗しましたが諦めず3回目で成功し、合格しました。

池袋陽太くんは「うれしかったです。けん玉は、成功するとうれしいし、失敗してももう一回チャレンジできるので楽しいです」と話していました。

母親の玲子さんは「休校が続き終わりが見えず不安はありました。けん玉を一緒にやると家族で同じ時間が過ごせるし、楽しかったです。みんなにもすすめたいですね」と話していました。

発達障害の高校生「けん玉は自信を持たせてくれる」

外出自粛が続く札幌市に住む、高校1年生の植松琉以さん(15)は発達障害があり、小学生のころから中学校までの7年間、学校になかなか通うことできませんでした。

ことしの春からは、定時制の高校への入学が決まり、新生活を楽しみにしていましたが、学校が休校となり、入学式以降通うことができていません。外出の自粛が続く中、母親の淳子さん(53)からのすすめで、琉以さんは小学生のときに夢中になった「けん玉」に取り組み始め多い日には1日4時間も練習しているということです。

うまく技が決められず、途中でやめてしまうこともありますが、毎日練習は欠かしません。

琉以さんは今月4日にオンライン検定を初めて挑戦して10級から3級までいちどに合格し、20日には2級を目指して、検定にのぞみました。

しかし最後の技が決められず合格は持ち越しとなりました。

植松琉以さんは「ちょっと悔しいです。けん玉は自信を持たしてくれたので、自信を持たしてくれる大きな存在だと思います」と話していました。

母親の淳子さん(53)は「外に出にくい人たちが自分のペースで自信を持っていける場があるというのはすごく家族としてありがたいし、本人にとっても一歩前進できるものじゃないかなと思っています」と話していました。