緊急事態宣言継続 東京都内の飲食店から落胆の声 新型コロナ

緊急事態宣言継続 東京都内の飲食店から落胆の声 新型コロナ
苦しい経営が続く東京都内の飲食店からは、東京の緊急事態宣言が継続される方針となったことに、落胆の声が相次ぎました。
東京 中野区のレストランでは緊急事態宣言が出されてから店内での営業をやめ、テイクアウトや弁当の販売だけを続けていますが売り上げは通常の3分の1以下に減っているということです。

店長の井口聖也さんは緊急事態宣言が継続される方針だということを21日昼ごろ、スマートフォンのニュースアプリで確認し、落胆の表情を見せていました。

井口さんは「予想はしていましたが、残念です。経営が厳しいので、宣言が解除されたらすぐに店内の営業を再開したい。できるだけ早く解除されることを祈るだけです」と話していました。

レストランでは店の窓に「やられたらやり返す。テイクアウトで恩返しだ!」と、人気ドラマのセリフをもじった貼り紙を掲げ、テイクアウトを利用した客への感謝の気持ちを伝えています。

井口さんは「ちょっとでも笑ってもらおうという思いと、感謝の気持ちから貼り紙を掲げています。早く店内でお客さんにおいしい料理を出して恩返しをしたい」と話していました。

また、同じ中野区の昭和新道商店街の立ち飲み店は、今月から入り口のドアを開放したり、カウンター席の間をアクリル板で仕切ったりしたうえで、閉店時間を午後8時に早めて営業を再開しましたが、売り上げは3分の1程度にとどまっているということです。

店を経営する長谷部智明さんは「今の東京の状況を見ると感染が再び拡大するのではないかという懸念もあり、難しいところだと思いますが、少しでも営業時間を長くできるなどしてほしかった」と話していました。

こうした厳しい状況を乗り切るため、長谷部さんの店など商店街の一部の店では先月から1枚5000円の「応援チケット」を買ってもらい通常営業が再開したあとに5500円分の飲食ができる仕組みを導入していて、長谷部さんは「応援して下さる気持ちがありがたいです。この商売をやっていてよかったと思えました」と話していました。

都民「困るがやむをえない」

東京の緊急事態宣言が継続される方針となったことについて、東京 渋谷では「困るがやむをえない」など冷静に受け止める声が聞かれました。

このうち、50代の男性は「今月いっぱいくらいは宣言が続くのはやむをえないと思います。テレワークや時差出勤にはまだ慣れませんが、自分や家族や同僚が感染しないのがいちばんなので、収束するまではみんなが少しずつ自粛するしかないです」と話していました。

80代の男性は「働いていた飲食店が休業しているので、宣言の継続は困ります。ただ、私1人ではなくて皆さんが同じ状態になっているのでしょうがないと思います」と話していました。

20代の女性は、「感染者が減り続けたらそろそろ解除になるのかなと思っていますが長くなると困ります。まるまる2か月アルバイトが休みになってしまいしんどいです。早くどうにかおさまってほしい」と話していました。

70代の女性は、「宣言が解除されるとみんな絶対緩むので、まだ解除しないほうがいいと思います。きょうも人が多くて驚きました。この3か月は怖くてほとんど外出していませんが、気持ちが暗くなってしまって『コロナうつ』になりそうです」と話していました。