新型コロナ集団感染でグアムに停泊 米空母 2か月ぶりに出港

新型コロナ集団感染でグアムに停泊 米空母 2か月ぶりに出港
アメリカ海軍は太平洋で活動中に新型コロナウイルスの集団感染が発生した原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が、再展開に向けて2か月ぶりに訓練に入ると発表しました。アジア太平洋地域では一時、直ちに展開できる空母が事実上、不在となる事態に陥り、海軍が態勢の再構築を急いでいます。
アメリカ海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」は、ことし3月、太平洋で活動中に新型コロナウイルスの集団感染が発生し、乗組員を隔離したり船内を消毒したりするため、グアムに停泊していました。

これについて海軍は声明を発表し、「セオドア・ルーズベルト」が空母の再展開に必要な洋上での艦載機の訓練に入るため、21日、2か月ぶりにグアムを出港し、フィリピン海に向かったと明らかにしました。

アジア太平洋地域では、横須賀基地の「ロナルド・レーガン」など3隻が整備や訓練に入っていたため、一時、直ちに展開できる空母が事実上、不在となる事態に陥り、空母を指揮するベイカー司令官は声明で「空母がインド太平洋地域での任務に一歩近づいたことは大きな成果だ」と強調しました。

今回の事態を受けてアメリカでは、この地域での中国の活動の活発化とアメリカ軍の影響力の低下への懸念も出ていて、海軍は空母以外の艦船を派遣するとともに態勢の再構築を急いでいます。