トランプ大統領 G7首脳会議 来月にも開催検討

トランプ大統領 G7首脳会議 来月にも開催検討
アメリカのトランプ大統領は、G7サミット=主要7か国首脳会議について当初の予定どおり、来月にも首都ワシントン近郊に各国首脳を招いて開催することを検討していると明らかにしました。
アメリカのトランプ政権は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、ワシントン近郊のメリーランド州にある大統領専用の山荘、キャンプデービッドで来月予定していたG7サミットについて各国首脳を招いての会議は行わないことを決め、ことし3月と4月にそれぞれ首脳によるテレビ会議を行いました。

これについてトランプ大統領は20日ツイッターで、「アメリカが元どおりに戻りつつある中、G7を当初予定していた日程かその近辺で開催することを検討している。加盟国はそれぞれ復活しつつあり、正常化に向けた大きな象徴になるだろう」と投稿し、キャンプデービッドに各国首脳を招いて開催することを検討していると明らかにしました。

経済活動の再開を急ぎたいトランプ大統領としては、大規模な国際イベントを国内でみずから主催することで、正常化に向けた前向きなメッセージを国民に打ち出したいねらいがあるとみられます。

また、トランプ大統領は、WHO=世界保健機関が「中国寄り」だとして、組織改革などの大幅な改善が見られなければ、資金の拠出を恒久的に停止する方針を示しており、G7サミットでも、同様の考えを示して各国の首脳から同意を取り付けたい考えがあるとみられます。

関係国の反応

フランスの大統領府の高官は20日「マクロン大統領は、状況が許すのであれば喜んで出席する意向だ」と述べ、新型コロナウイルスの感染状況を見極めることが必要だとしながらも、出席には前向きな姿勢を示しました。

また、AFP通信によりますと、ドイツのメルケル首相は記者会見で「G7の会議がどのような形式で開催されようとも、私は国際協調のために戦い続ける」と述べました。そのうえで「状況を見極める」と述べ、今後の状況を注視したいという考えを示しました。

カナダのトルドー首相は、首都オタワで開いた記者会見で、各国首脳はテレビ会議であれ、通常の会議であれ、協議を続ける必要があるとしたうえで「ホスト国のアメリカが、どのような安全対策を講じるのか、それが機能するのか専門家の助言を聞いていくことになる」と述べ、実際に集まる形式が適当かどうか、アメリカ側の説明や専門家の意見を踏まえて判断したいという考えを示しました。

新型コロナウイルス対策として、カナダは、アメリカとの国境を閉鎖する措置を来月21日まで延長しています。

菅官房長官「出席は検討中」

菅官房長官は21日午前の記者会見で、「世界経済を早期に正常化させたいとの大統領の意向を表明したものだろう。日米の間は、常日頃から緊密にやり取りしている。この件もアメリカ側から連絡があったと承知しているが、詳細についてお答えは差し控える。安倍総理大臣のG7首脳会議の出席は検討中だが、具体的日程や開催形式については、議長国であるアメリカが引き続き検討中だ」と述べました。