タイ 中央銀行 政策金利引き下げ 過去最低の0.5%に

タイ 中央銀行 政策金利引き下げ 過去最低の0.5%に
タイの中央銀行は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、観光業や輸出産業に深刻な影響が出ているとして、景気を下支えするため、政策金利を過去最低の0.5%に引き下げることを決めました。
タイの中央銀行は20日、金融政策を決める会合を開き、景気を下支えするため、政策金利を今の0.75%から0.25%引き下げて0.5%とすることを決めました。

政策金利の引き下げは、緊急会合を開いたことし3月以来で、過去最低の水準となります。

タイの中央銀行は、利下げの理由について、タイの観光業や輸出産業が新型コロナウイルスによる世界経済の想定以上の減速で、大きな打撃を受けているうえ、個人消費が、失業の増加や、感染防止のための経済活動の制限で、低迷していることなどを挙げています。

タイ中央銀行の幹部は記者会見で「ことしのタイ経済は世界的な景気後退で、想定していたよりもはるかに深刻な影響を受ける」と述べ、警戒感を示しました。

タイ政府もことしの経済成長率の見通しについて、マイナス5%から6%とアジア通貨危機の影響を受けた1998年以来の低い水準に落ち込むと予測していて、自動車産業をはじめ、タイに進出している5400社を超える日系企業にもさらに影響が広がりそうです。