WHO総会終了 新型コロナ対応の検証決議も協調の難しさ浮き彫り

WHO総会終了 新型コロナ対応の検証決議も協調の難しさ浮き彫り
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WHO=世界保健機関の年次総会は、新型コロナウイルスへのWHOの対応について公平で独立した検証を求める決議を採択して2日間の日程を終えました。しかし、ウイルスへのWHOの初動をめぐってアメリカと中国が激しく対立し、世界が協調して感染症対策を進めることの難しさが浮き彫りになりました。
ことしのWHOの年次総会は194の加盟国が参加して初めてテレビ会議形式で行われ、19日、2日間の日程を終えました。

総会では、新型コロナウイルスへの対応でWHOのリーダーシップを引き続き支持することや、WHOに対し、今回の対応について公平で独立した検証を行うことなどを求める決議を採択しました。

しかし、アメリカのトランプ大統領がWHOの初動対応を非難する一方、中国の習近平国家主席は、「多大な貢献をしてきた」と称賛し、米中の激しい対立が際立つものとなりました。

トランプ大統領は、WHOに対し、中国からの独立性を示すよう求め30日以内に大幅な改善が見られなければ、資金の拠出を恒久的に停止して加盟についても考え直す立場を示し、「WHOは行動を改めなければならない。アメリカを含め他の国にもっと公平にならなければならない」として改善を求めました。

今回の総会はアメリカと中国が激しく対立する中、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発などを世界が協調して進めることの難しさが浮き彫りになりました。

専門家「米中関係は最悪 新冷戦に突入」

アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所の中国の専門家、ボニー・グレイザー氏は、新型コロナウイルスをめぐるアメリカと中国の対立について、NHKの取材に対し、「当初は、米中両国が世界の人命のために立場の違いを一時的に忘れ協力する機会になるという見方もあったが、そうはならなかった」と述べました。

そのうえで「米中両国の争いが、新型コロナウイルスの感染拡大で激しさを増している。米中関係はかつてなく悪い状況で、少なくとも1989年の天安門事件以来、最悪だ。米中は、新冷戦に本当に突入したと多くの人が思っている」と述べ、米中新冷戦とも言える悪化した関係にあるという認識を示しました。

2日間にわたって行われたWHOの年次総会で両国の対立はより鮮明となっていて、改善の兆しは見えていません。