原爆犠牲者名簿の風通し 新型コロナ影響で全員マスク姿 広島

原爆犠牲者名簿の風通し 新型コロナ影響で全員マスク姿 広島
k10012437101_202005201218_202005201219.mp4
広島市の平和公園で、原爆慰霊碑に納められた原爆の犠牲者の名簿が湿気で傷まないよう、慰霊碑から取り出して風を通す作業が行われました。
この作業は、広島市が梅雨を前にしたこの時期に毎年行っています。

20日は、市の職員19人が原爆が投下された午前8時15分に原爆慰霊碑の前で黙とうをささげたあと、慰霊碑に納められた名簿を取り出し、1冊ずつ白い布の上に並べました。

名簿は118冊あり、広島で被爆し去年8月5日までに亡くなった31万9186人の名前や、亡くなった日などが記されています。

ことしは新型コロナウイルスの影響で全員がマスク姿で作業を行い、名簿のページを1枚ずつめくって風を通しながら、傷んでいるところがないか確認しました。

広島市は例年、修学旅行生などに平和学習の一環として風通しの見学を呼びかけていましたが、ことしは感染予防のため呼びかけを行いませんでした。

広島市原爆被害対策部の河野一二調査課長は「被爆から75年になるのを前に、亡くなられた方への慰霊の思いを込めてしっかりと作業を行いました」と話していました。

来月からは、新たに亡くなった人の名前を書き加える記帳が行われ、8月6日に慰霊碑に納められます。