WHO総会2日目 米中対立で国際的協調は困難か 新型コロナ

WHO総会2日目 米中対立で国際的協調は困難か 新型コロナ
新型コロナウイルスへの対応を議論するWHO=世界保健機関の年次総会は、2日目の協議が始まりました。WHOへの批判を強めるアメリカのトランプ大統領が大幅な改善が見られなければ、加盟についても考え直す立場を示したのに対し、中国の習近平国家主席は、WHOの対応を称賛して、アメリカをけん制し、国際的な協調を示すことは、困難だという見方が広がっています。
194の加盟国が参加してテレビ会議形式で行われているWHOの年次総会は、最終日となる2日目の協議が19日、日本時間の19日夜7時半ごろから始まりました。

日本やEU=ヨーロッパ連合などは、各国がWHOを引き続き支援し、ワクチンや治療薬の研究開発で連携することやWHOに対しウイルスへの一連の対応について公平で独立した検証を行うことなどを求める決議案を共同で提案し、さきほど採択されました。

アメリカは、ウイルスをめぐる初動対応についてWHOを非難し「中国寄りだ」と批判を強めていて、総会が始まった18日、トランプ大統領は、テドロス事務局長にあてた書簡を公表し、WHOが中国からの独立性を示すよう求めました。
30日以内に大幅な改善が見られなければ、資金の拠出を恒久的に停止して加盟についても考え直す立場を示しました。

これに先立って総会でスピーチした中国の習近平国家主席は、WHOの対応について「国際的な感染対策において多大な貢献をしてきた」と述べ称賛したうえで、今後2年間で20億ドル、日本円で2100億円余りを拠出して、主に途上国でのウイルス対策に積極的に取り組む方針を示し、アメリカをけん制しました。

総会は日本時間の19日夜遅く閉会する予定で、閉会後、行われることになっていたテドロス事務局長の記者会見は急きょ、中止になったことが発表されました。

世界的に感染が広がり続ける新型コロナウイルスの封じ込めに向けて、国際社会の連携がこれまで以上に求められていますが、それを主導するWHO自体が米中の激しい対立の舞台となっている現状では、国際的な協調を示すことは困難だという見方が広がっています。