小中学校の夏休み短縮 東京23区内ですでに決定も 新型コロナ

小中学校の夏休み短縮 東京23区内ですでに決定も 新型コロナ
新型コロナウイルスの影響で都内の小中学校で休校が続く中、東京23区では、授業の遅れを取り戻すためすでに4つの区が夏休みの短縮を決めたほか、14の区が短縮する方向で検討していることが各区への取材でわかりました。
東京23区の公立の小中学校は「緊急事態宣言」の期限となっている今月末までの休校が決まっています。

授業に遅れが出ていることから東京23区のうち、目黒区、北区、足立区、江戸川区の4つの区は、すでに夏休みを短縮することを決め、保護者などに伝えています。夏休みの期間を目黒区では8月1日から24日、北区では8月1日から23日、足立区では8月8日から23日、江戸川区は8月8日から24日とし、例年より10日間から3週間程度、短くします。

このほか14の区が短縮する方向で具体的な日程を検討していて、残りの5つの区は短縮するかどうかを含め検討しているとしています。

一方で、夏休みを短縮することでの課題もあります。各区の教育委員会によりますと教室へのエアコンの設置は進んでいるものの、登下校中や休み時間の熱中症対策、学習塾の夏期講習やスポーツチームの活動と授業が重なってしまう子どもが出ること、それに当初の予定になかった給食を用意できるかといったことが課題となるということです。

また、夏休みの短縮だけでは授業の遅れが解消できないとして目黒区や江戸川区では土曜日の授業を増やしたり、行事を中止して空いた時間を授業に充てることを検討しているということです。

全国で夏休み短縮相次ぐ

夏休みを短縮して授業時間を確保する動きは全国に広がっています。

兵庫県小野市は夏休みを8月8日から16日までの9日間にするほか、宮城県名取市は8月8日から19日までの12日間に、福岡市は8月7日から19日までの13日間に短縮し、授業時間を確保するとしています。


また、沖縄県内では夏休みを10日間にする自治体があるほか、名古屋市も夏休みをおよそ2週間短縮したうえで、冬休みも4日間短くする方針を決めています。

文部科学省は新型コロナウイルスの影響で、国が示す授業時間を下回っても法令違反にはならないとしたうえで、地域の感染状況のほか、児童生徒や教職員の負担を踏まえながら、学校の指導を充実させることが必要だとする通知を出していて、具体的な方法として夏休みの短縮や土曜日の活用、時間割り編成の工夫などを挙げています。