児童養護施設で育った若者 オンラインで交流 コロナ影響 埼玉

児童養護施設で育った若者 オンラインで交流 コロナ影響 埼玉
新型コロナウイルスの影響で、児童養護施設で育った若者が互いに交流したり悩みなどを相談したりする場を開くことが難しくなり、埼玉県では、インターネットを使ったオンラインによる取り組みが行われています。
埼玉県では、支援団体に委託して、児童養護施設などで育った若者が集まって交流したり、支援者に悩みを相談したりする場を週に3回開いているほか、経済的に厳しい人には、食料品を配る取り組みを行っています。

しかし新型コロナウイルスの影響で、3月下旬から集まりが中止されたため、先月から、スマートフォンなどのアプリを使って週1回、オンラインで会合を開いています。

この日は、20代から30代までの男女5人が参加し、自粛の影響で仕事がなくなり休みになったことや人と会えず、寂しさが増していることなど今の状況を報告していました。

一方で、オンラインでの会合は、スマートフォンの通信料金が高額になって参加しづらいという声もあり、課題となっていて、参加をやめた男性は、「通信料金が2000円増え参加は厳しいと思った」と話していました。

県から事業を委託している支援団体「コンパスナビ」のブローハン聡さんは「児童養護施設を出た若者たちは親や退所した施設を頼りづらく孤立感を感じやすい。オンラインで解消もできるが、通信費も課題となるので今後、対策を考えたい」と話していました。

施設退所の若者 収入や精神面で苦境に

児童養護施設で育った子どもたちは、原則18歳になると施設を出て自立するよう求められます。

東京都内のNPO法人「ブリッジフォースマイル」が児童養護施設を退所した首都圏の若者たちに新型コロナウイルスによる影響が出ていないか調査を行いました。

69人が回答し、「収入が減少する見通し」と答えた人は24人と3人に1人に上りました。

また、精神的な状況を尋ねたところ、「やや落ち込んでいる」「ひどく落ち込んでいる」と答えたのは39人で半数以上に上っています。