テレワーク普及でクリーニング店も苦境 ワイシャツ激減で

テレワーク普及でクリーニング店も苦境 ワイシャツ激減で
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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワークが普及するなど、働き方の変化が暮らしに身近な企業にも影響を与えています。
東京を中心に60余りの店を構えるクリーニングチェーンでは、これまでワイシャツのクリーニングが全体の半分を占めていました。しかし、ワイシャツの受け付け枚数は3月から急速に減少し、4月には、去年の半分以下の3万枚余りまで落ち込みました。

感染拡大を防ぐため、多くの企業がテレワークを実施したことで、ワイシャツを着ずに、自宅で仕事をする人が増えたためです。ワイシャツの減少で、4月の売り上げは去年の同じ月より3割近く減少。今月に入ってもワイシャツの受け付け枚数は減少したままだということです。

埼玉県草加市にあるこの会社の工場では、洗濯やしわ取りのため、ふだんは3本動いている作業ラインが、今は1本しか稼働していません。

東京などに出されている緊急事態宣言が今後、解除されたとしてもテレワークがこのまま定着すれば、落ち込んだ売り上げはもとのようには戻らないとみています。このため会社では今、新しい事業の検討を進めていて、4月からマスクの生産に乗り出しました。

もともと、事務室として使われていた工場の一角に、洋服の直しや裾上げに使っていたミシンを持ち込み、業務が減った従業員がシャツの生地を使ってマスクを一枚一枚作ります。さまざまな色や柄があり、裏地にメッシュの生地を使うなど夏でも熱くないように工夫をしているということで1か月で数千枚が売れたということです。

「喜久屋」の中畠信一社長は「仕事着のクリーニング需要は今後は極端に減り、もう以前のようには戻らないと思う。正直厳しいが、世界が変わっていくので、それに対応してサービスを開発していかないといけない」と話していました。